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@toponder_r
2026年9月20日
マイボディ・オン・ザ・ムーン 下
矢野アロウ
読み終わった
※大興奮で大長文
読み始めちゃうと全然離れなくなっちゃう。
心とかその人自身って、いったいどこでどう定義されるんだろうね。
脳なのか心なのか、心は脳にありそうだし、でも脳内の物質が違う生物の細胞に入れ替わったら、その人は同じ人なのか。
まさかテセウスの船を人間版で考えることになろうとは…
読んで、頭使って疲れて、ちょっと休んで、休んでるはずなのになんとなくぐるぐる考えちゃって、また開いて読んで頭使うからお腹空いて…みたいな。
久々に大没頭だった。
もうひとつずっと考えちゃうのが、平和を求めて「なぜ戦うのか」と疑問に思ってるミントが、それでもなにかを求める・主張するには最終的に暴力になっちゃう、っていうジレンマ。
この問いは答えが出ないまま、まだ頭の中に居座ってる。
首を斬り落とすとはどういうことか=執着、相手を自分に取り込もうとするいきすぎた気持ち、ってことが書いてある箇所があって、映画『オデュッセイア』を思い出した。
オデュッセウスもずーっと、首を落としたアテナが同じタイミングの少女の顔で、自分で向き合うまでそばにいたなあって。
タイの寺院、実際に行って見てみたい。
首が切り落とされてる仏像と、根っこに取り込まれてる頭。
壮大な宇宙規模の話とセットで、人々の心や意識の深いところが描かれてるのがすごくすきだった。
ジャムやミントもそうだし、その人視点では語られない人たちの想いも。物理的ではない長い飛距離が面白く感じたなあ。
前半でミントやジャムのことをやけに詳細に書くけど、なんでそんなに?と思ってたら、最後でぜーんぶ繋がってアベンジャーズ見てるのか?って気持ちになった。
大盛り上がりだし泣いちゃうよこんなん。
あとヤンヂャンミンが意外といいやつなのもよかったなあ。
ああいう橋渡し的な感じしつつ性格的にはそんなに向いてないみたいな人が1人いると、すごく安心しちゃう。
で、この小説が今の現実とほとんど地続きなのがすごかった。
月の裏側で見つかった首のない身体をきっかけに、月の有用性や可能性も含めて政治的にゴタゴタしていくわけだけどこれ読むまでグリーンランドの問題なんにも知らなかった。
地球の資源を狙ってそんな状況なんだあ、とか、中国もアメリカも表に出てじゃなくて他の国の裏についてやり合ってんのなんだかなあ、とか。
ニュースいまいち追えてなくてピンときてなかったこと、物語のおかげで知れてよかった。
ちょうどヨーロッパがロシアへの警戒を高めて、というかNATO連盟とロシアみたいな対立だと思うけど、ちょうどそんな各国公式のポストが増えたタイミングで小説では核をぶっ放し合い始めて、散々地球を痛めつけてるのにまだ大丈夫だとやり合ってる感じ、核のせいでインターネットもなにもかも奪われてる感じ。
これがフィクションだね〜と笑えない現実なのがつらい。
そして最後のシーン。
あ!!!ってなった。
まず僧侶、たしかに上巻の冒頭で出てきたじゃん、というのと、コーツが神秘小屋で大切な人が座ってた気がするって感じてた空席の部分、すっっっかりスルーしてました。
てか続きますよね!?中国!?
まじちゃっかりしてんな、だから世界に情報出したんか。
脳の成分とかルナボディの成分とかは少し科学的な感じだけど、全体的に読みやすい。
ただ紙は本当に重いから、筋トレ読書です。
しばらく心が掴まれっぱなしの話だった。
本に呼び戻される感じ、すごくいい読書体験だったなあ。

