くろみつきなこ "多類婚姻譚" 2026年9月21日

多類婚姻譚
多類婚姻譚
凪良ゆう
結婚や恋愛の難しさだけじゃなく、生きていくことの難しさも痛感する作品だった。 Thank you for your understanding 「多様性」や「ありのまま」ってなんだろうと考えさせられた。 この話を読むまでは、理解してもらえない、受け入れてもらえない、その結果切り捨てることを選択するって悲しいけど間違った選択ではないと思ってた。 だけど、理解したくてもすぐには対応しきれなくて、歩み寄ることをすぐに諦め切り捨てられてしまう側の気持ちも確かにあって。 特別扱いはされたくないという思いとマイノリティだから仕方がないという思いはどこか矛盾していて、でもマイノリティかは関係なく理解してほしい人、理解したいと思っている人への誠意の大切さを感じた。 Beautiful Dreamer 正直最初は主人公に感情移入もできないし苦手なタイプだった。 けど、一冊読み終わり時間が経ってからもう一度読みたいと思ったり、刺さったなと思った話だった。 田舎での暮らしづらさと東京での暮らしづらさは別物で、どちらでもうまくやれる人はいるけど、そうじゃない人もいるわけで。 どんなに頑張って努力しても実家の太さや生まれ持ったものには決して敵わない。 それでももがき苦しみながらも懸命に生きていく女性の話だった。 別の話で、この主人公の頑張りが全てではないけれど報われたんだなと思えて嬉しかった。 小鳥たち 読んでる時、一番好きだなと思った話。 誰かにとっての止まり木を作った女性もまた周りの人たちに救われて。 男女ということで勘繰られてしまうけど、本人たちは自分の今いる位置やお互いの存在意義をしっかり持っていて良い関係性だなと。 Position Talk 価値観や考え方の違いの擦り合わせというか、違いの埋め方の難しさを痛感した。 男であるけど一個人、一個人だけど男、どちらとも捉えられるけど、その考え方の違いって大きくて、決して答えの出ない問題をずっと言い合っている感じで、最終的な2人の終着点もモヤモヤしてしまった。 でも、性別による辛い思いや悲しい出来事って確かにあるからなとも思い、それもそれでモヤモヤする話だった。 C'est la vie 不思議な人間関係ではあったものの、一番スカッとするというか大人な話に思えた。 女性の強さというか賢さというか怖さというか。 誰しもが恋愛が一番ではなく、譲れないものやプライドがあり、それを軽んじる相手であれば躊躇うことなく手放し、そして必要ならまた取り戻す。 自分の人生の手綱をしっかり自分で握っていて、側から見れば理解できないことであってもしっかりと軸の通った生き方をしている女性で、かっこよさも感じた。
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