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@bunkobonsuki
2026年9月22日

構造素子 (ハヤカワ文庫JA)
樋口恭介
父(ダニエル)が遺した未完の草稿を息子(エドガー)が手に取り、続きを書き出す。『構造素子』はこのように始まる。
それは単なるヒューマニズムとドラマではない。本作はそこから別のところへ出発する。
小説内小説の中に、さらに小説を埋め込み、小説はいろんな物語を生み出す。やがて物語同士がぶつかり合い、世界が混沌と化す。
小説内に登場する息子(エドガー)は人工意識として生まれ、分裂し、さまざまな物語を生み出した。物語はその世界を保持する役割を担い、世界に背くような物語は排除される。
イレギュラーが生まれ、本筋たちに反旗を翻し、ぶつかり合い、世界は崩壊へ向かっていく。
個人的に、伊藤計劃の影響が強い作品だと感じた。随所に見られるログの表示は『ハーモニー』っぽいし、終盤の言語に対する洞察は屍者の帝国(これははぼ円城塔作品だけど)に通じる。

