
清水美穂子
@favoriteworks
2026年9月22日

名前のないカフェ (新潮クレスト・ブックス)
ローベルト・ゼーターラー,
浅井晶子
読んでる
借りてきた
市場で廃業した、打ち捨てられたような食堂を、カフェに改装して人々の居場所をつくった男。
彼の地に足のついた、質実剛健な感じは『ある一生』の主人のことも思い出させた。
きっとローベルト・ゼーターラーの分身でもある。
無名の素朴な人たちの、なんということのない毎日が淡々と綴られる。しかしセリフは多い。
それを読みながら思うのは、これが現代の日本ならば、人々の間でこんなにリアルな会話は交わされず、カギカッコよりカッコの、心の中の言葉だけが静かに浮かぶような物語になりそうだということ。
ゼーターラーは役者でもあった、と思い出した。
