みかづきさん "すべて真夜中の恋人たち" 2026年9月22日

すべて真夜中の恋人たち
冒頭、文章の美しさにうっとりとしていたら、読み進めるうちにぬめぬめとしてきて、人間の弱さがしっかりと描かれたお話だった。 登場人物、全員が何かしら欠けている。 嫌な部分がある、醜いところがある、弱さがある。月と同じで日によっても見方によっても変わってしまうし、時間が経てば治るものでもない。 冬子は大きなものを手に入れたと思う。 思い返せば何も失ってはいない。いつかは忘れてしまうかもしれないけれど、それまで大切に味わうことができる。エネルギーとして自分の中に吸収することができる。 特別だった真夜中がだんだん日常の一部になる。それでも美しいと思える。そう思える冬子はとても強く、素敵だと思う。
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