
おやま
@yama___yaman2
2026年9月22日
死神の浮力
伊坂幸太郎
読み終わった
今回は前作と違って短編ではなく長編だから千葉の仕事ぶりに密着できた感じがする。千葉と山野辺で物語の捉え方が違うから読んでて退屈にも感じなかった。還元キャンペーンの存在もあったから「可」か「見送り」か最後まで分からないし本城側にも香川の存在があったらどんな展開になるのかヒヤヒヤしてた。山野辺夫妻が千葉に振り回されながらも2人は千葉の存在に精神的にも助けられてたと思う。でも読者の私が1番千葉の存在に助けられてた気がする。この胸糞悪い悲惨な物語の中で唯一名前が上がるだけで肩の力が抜ける。決して担当の味方ってわけじゃないけど、いるだけで安心感が増す存在になってる。雨の中自転車で爆走する千葉のシーンは笑った。
『死神の精度』の短編は章ごとに担当の人間が異なるけど、世界はしっかり繋がってるから最後別の担当についた千葉が昔の担当を思い出す部分が好きだった。それが『死神の浮力』でも見れて最高の〆。千葉は彼らとの出来事の中で人間社会に溶け込む術を学んでるから、意識してないだけで記憶の中には担当した人間のことがちゃんと刻まれてるんだなぁと…。前作の一編「死神で恋愛」の荻原の言葉が出てきたのも嬉しかった。
本城は成敗される悪役として個人的には魅力的だった。憎いやつだけど物語の登場人物として嫌いにはならなかった。
山野辺遼と父親の会話も印象に残ってる。多分、山野辺遼は最期に恐怖なんて感じてなかったと思う。
いつか山野辺美樹に担当が付く時は絶対に千葉であって欲しい。
