まえしゅん "夜の果てへの旅(上)" 2026年9月23日

夜の果てへの旅(上)
夜の果てへの旅(上)
セリーヌ,
生田耕作
苦しい読書だったが、上だけでも既に傑作の予感がある。 反吐を撒き散らすが如く繰り出される内的独白。頁を埋め尽くし途切れることの知らない罵倒、罵倒、罵倒。 …戦場でのある種ユーモラスな描写は不謹慎だが楽しくもある。そこからアフリカ編までの繋ぎは割に退屈だった記憶。 そんでアフリカ編はヤバい。凄まじい迫力。 やはりセリーヌの文章の衝撃って未だに色褪せない。屈指に格好良い、痺れる文体だし、俺は完全に当てられてしまった。 まる一日食事をとっていないのもあってあり得ないほど没入して読んだ。稀有な体験だったと思う。 そんで最後にモリーと別れる叙情的な一節。かなり良い。ほんの小さな灯りを見出して下巻へと続く。 これ程に気が滅入り、且つ訳の分からん衝動が滾る小説も珍しいと思う。上だけなら94点。
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