

まえしゅん
@maeshun_1979
主に日本純文学と文芸批評を読みます。
思い出したら記録。
- 2026年10月9日
- 2026年10月8日
夜明け前のセレスティーノレイナルド・アレナス,Reinald Arenas,安藤哲行読み終わった凄い小説。 どこまでも浮遊していく儚い詩情と、迫害に負けず生き抜こうとする、少年の原始的な生命力が両者卓越している。 実験文学として見られかねない筆致もあるが、それは安易なパフォーマンスではない。アレナス自身が血を滲ませて獲得した文体だという必然性を感じる。 無力な人間が、想像力を駆使して悪に、現実に立ち向かう。その小さな反抗のひたむきさを、偉大なフィクション=本書で援護するアレナスは、本当に格好良い作家だ。90点。 - 2026年10月8日
- 2026年10月6日
- 2026年10月6日
- 2026年10月6日
- 2026年10月6日
ストーナージョン・ウィリアムズ,東江一紀読み始めた - 2026年10月1日
存在論的、郵便的東浩紀読み始めた - 2026年10月1日
インディゴクレメンス・J・ゼッツ,犬飼彩乃読み始めた - 2026年9月23日
夜の果てへの旅(上)セリーヌ,生田耕作読み終わった苦しい読書だったが、上だけでも既に傑作の予感がある。 反吐を撒き散らすが如く繰り出される内的独白。頁を埋め尽くし途切れることの知らない罵倒、罵倒、罵倒。 …戦場でのある種ユーモラスな描写は不謹慎だが楽しくもある。そこからアフリカ編までの繋ぎは割に退屈だった記憶。 そんでアフリカ編はヤバい。凄まじい迫力。 やはりセリーヌの文章の衝撃って未だに色褪せない。屈指に格好良い、痺れる文体だし、俺は完全に当てられてしまった。 まる一日食事をとっていないのもあってあり得ないほど没入して読んだ。稀有な体験だったと思う。 そんで最後にモリーと別れる叙情的な一節。かなり良い。ほんの小さな灯りを見出して下巻へと続く。 これ程に気が滅入り、且つ訳の分からん衝動が滾る小説も珍しいと思う。上だけなら94点。 - 2026年9月22日
夜と霧ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子読み終わったようやく読めた…凄い本だ。 論文のように静かな叙述が続くが、時に溢れるような感情の洪水が揺さぶりをかける。著者が限界の生活の中で妻の幻想を見、彼女との交歓により至上の愛を悟る所の、何と感動的なことか。思わず涙が溢れた。 印象深い挿話は沢山あるが、一番感銘を受けたのは、死に瀕した女性被収容者の言葉だろうか。 『わたしは運命に感謝しています。だって、わたしをこんなにひどい目にあわせてくれたんですもの。』 …彼女のように、苛酷な運目の最中にあっても現実へ真摯に向き合い、崇高な『人間の尊厳』を守り抜いた人々の偉大さに圧倒された。98点。 - 2026年9月22日
現代思想入門千葉雅也読み終わった素晴らしい一冊。7時間かけ、メモを取りまくりながらじっくり読んだ。 非常に親切で、分かりやすい語り口を駆使し、現代思想とその潮流にある思想をも簡潔に解説してくれる。 一つの主張が何度も変奏されて繰り返されるので、その度に当該箇所を読み返して理解を深めた。 こうでなければならない、という窮屈な枠組から外れていくエネルギーを持った人々を、弁護する方法として現代思想を説く。俺は千葉氏のこの矜持に凄く感銘を受けて、一種救われるような読み心地だった。本書で紹介された本を沢山読んでいきたい。97点。 - 2026年9月20日
現代思想入門千葉雅也読み始めた - 2026年9月19日
作家の値うち 令和の超ブックガイド小川榮太郎読み終わった福田和也『作家の値うち』を現代版としてリブート。この100点満点での採点という制度が非常に明快な指標となっていて、やはり好きだな。 そりゃ俺の好きな作品が貶されていると少しの違和感も覚えるけれど、全体的には真摯な評論の仕方で、とても良かったと思う。明らかに質の低い作品には短評しか付けてない所がに可笑しみがある。大江健三郎に関しての毒舌振りにも笑った。 本作をきっかけにして、読みたい本が膨大に増えたことが嬉しい。優れたブックガイドと言えるのではないでしょうか。87点。 - 2026年9月19日
- 2026年9月18日
夜明け前のセレスティーノレイナルド・アレナス,Reinald Arenas,安藤哲行読み始めた - 2026年9月18日
嘔吐ジャン・ポール・サルトル,鈴木道彦読み始めた - 2026年9月18日
すべての美しい馬 (ハヤカワepi文庫)コーマック・マッカーシー,黒原敏行読み終わった傑作。叶わぬユートピアを追い求め、各地を彷徨して止まない、主人公ジョン・グレイディの魂の純潔。屈指に憧れるキャラクター。 徹底的にタフで、美しく磨かれた文章が、彼の所作にくっきりとした輪郭を与える。 運命に翻弄され、辛酸を舐めるように劇的な生き様を晒しても、抑制されたテンションの語りは冷徹な神の如き視線を貫き通す。 しかし平坦なストーリーが動き出す中盤以降は比類の無い面白さで、ナイフでの死闘には手に汗握る。 寂しい余韻の残るラストまで、幸福な読書体験だった。96点。 - 2026年9月17日
- 2026年9月14日
新訳 大いなる遺産 上ディケンズ,河合祥一郎読み終わった面白い! 魅力的なキャラクターが次々登場し、ユーモラスであると同時に、格式高くもある文章がそれを彩る。 プロットの楽しさはさることながら、この文章を目で追うこと自体が、とても心地の良い読書体験をくれる。 ピップの揺れ動く青年期の心の有様が非常に良い。特に愛すべきジョーとビディーに対して徐々に心変わりし、一種の見下しを込めて遠ざけようとする心境には歯痒くも切なくなった。 好きなキャラはビディーとエステラ。それぞれ故郷/ロンドンを象徴するような名ヒロインだと思う。 清楚で寄り添う幼馴染のビディー、高慢で美人な憧れのエステラ、両者とても可愛い。 河辺でビディーと過ごすシーンは滅茶苦茶萌えた。また、故郷を去るシーンもまた良かった。 恐らく伏線回収が始まるであろう、下巻も楽しみ。85点。
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