もぐもぐ羊 "水車小屋のネネ【毎日文庫】" 2026年9月23日

水車小屋のネネ【毎日文庫】
勢い止まらず最後まで読んでしまった。 出てくる人たちがいい人ばかりで安心した。 研司くんの同級生が〈人間狩り〉をしようと言い出して、外国人の女性(今でいう技能実習生と立場が近そう)を実際に捕まえようとする思考が怖いと思った。中学生で。 『沖縄 スパイ』で久米島にいた陸軍通信隊が疑心暗鬼で島民をスパイ扱いして虐殺していく中で、島民の少年たちにスパイ探しをさせていたことを思い出した。 善悪の判断が曖昧な年頃とはいえ、自分より立場の弱い人を山に逃げ込むほどに追い詰めることができてしまう思考は一体どこからくるのか。 周りの大人や世の中の空気なのか。 ネネがとにかく賢くて、ネネの周りの人たちはネネのことを尊重していたし世話をおろそかにすることなく大事にしていたのがよかったな。 ネネがいたからこそ繋がれた人たちもいたし、この本の中の人たちのゆるいけど楽しそうな繋がりはとてもうらやましい。 寛美ちゃんのお父さんも後半に活躍したり(寛美ちゃんも活躍していた!)みんなの暮らしを見守らせてもらった気分でとてもよい読後感が残っている。 そうそう津村記久子作品ってこういうところが好きなんだよねというのをあらためて思い出させてくれた。 理沙と律の姉妹もよく頑張って生きてたし、周りの人たちが意地悪することなく(母とその婚約者はやばかったけど)見守ってくれたからだよね。 理沙が進学したかった短大の入学金を母に使われて進学が叶わなかったけど、めぐりめぐってやりたかったことを仕事にできたのがよかったし、律があえて高卒で一旦就職してから大学に進学したのも、人生は最短ルートでいけばいいってもんじゃないよってことを教えてくれている気がした。 周りにいい大人がいたおかげというのもあるけど、姉妹がいい子だったからいい人生を送れているというのもあるんだろうな。 ネネが気に入ってるレッチリの曲が入ってるアルバム、私持ってる!急に聴きたくなる!
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