舳野 "新月譚 (文春文庫)" 2026年9月20日

舳野
@henomohe
2026年9月20日
新月譚 (文春文庫)
ミステリーではなく、ロマンスだった。 もしくは作品論。 恋に苦しんで、結果的にそれが彼女の小説を傑作にする。和泉式部かよ。 彼女を一途に慕う年下の青年や作家活動について教えを請うことができるすばらしいベストセラー作家に心を動かされそうにはなるが、どうしようもない男への気持ちを優先する。 その見返りが数々の裏切りだ。どう見ても都合のいい女そのものにされている。彼女の愚かさに辟易したもののさすがに最後に裏切りの象徴ともいえるものを救うために金を無心してくる男とその後ろの慰謝料代わりと言わんばかりの脅迫の意図さえ感じさせる女の意図を感じさせるあのひとことにはびびった。 一生を彼にめちゃくちゃにされたものの、そのおかげで彼女は伝説の作家としての生涯をつかんだ。 メフィストフェレスだったのかな。彼は。
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