ミヤウヂ ヨウ "こころは遺伝する" 2026年9月24日

こころは遺伝する
こころは遺伝する
ロバート・プロミン,
田中文
『ドグラ・マグラ』を読んだあと、たまたま本屋さんで見つけた本書。“遺伝する記憶”が物語の鍵となっている『ドグラ・マグラ』の影響もあり、すぐに購入いたしました。 拝読した感想は、本国イギリスの一般読者の方と同じく「目からウロコ」でした。 人格形成について「恐らくDNAが関与しているのだろう」と感じてはいましたが、まさかここまで微細精細なメカニズムとは思わず、だからこそ多種多様な性格や思考の人々が生まれるのだな、と納得しました。まさに「God in the details.」ですね。 宇宙の成り立ちなどと同様、ここまでくるとある種の芸術性も感じてしまいます。 とはいえ、読む人が読めば「優生志向」や「決定論的」とも取られない内容のため、著者のプロミン先生は何度も何度も根気強く「そうではない」と書かれています。それなのに一部メディアなどはそう解釈しているようですが…… この本を読んだからかもしれませんが、「もしかしてメディアや知識人社会に属する人は心の何処かで優生的な思考をする性質が強い人が多いのかも…?」なんて思ってしまいました。 ただ、この本を手に取られた方の多くは私と同様、「こころは遺伝する」というのを何となくそうだろうと感じられていたのかもしれません。故に、本を読まずにメディアに触れてしまう人が増えると、同じような反発も多く起きてしまうのかなぁ…とも考えました。 そして何より、先生も書かれている通り、科学の進歩から置き去りにされてしまった倫理的な問題は数多くあります。より身近、より具体的に捉えられるようになってきているからこそ、一人ひとりが改めてちゃんと知識を得て、問題と向き合う必要があるのですね。 ちなみに自分に当てはめて考えてみると、元々持っている遺伝形質と反する道を選択してしまったせいで、身体が限界を迎えたのかなぁと反省しました。面倒くさがりなところと、痛みに鈍いところ、そして変に諦めが良いところが、悪いかたちで発現してしまったのですね。 これまで何冊か自己啓発本を読んで参りましたが、最も「自分の声に耳を傾けよう」というのが響いた本でした。
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