宮子 "キラキラ共和国" 2025年4月8日

宮子
宮子
@miyako
2025年4月8日
キラキラ共和国
🕊️読了。『ツバキ文具店』の続編。結婚し家族が増えた雨宮鳩子改め守景鳩子の代書屋生活。  読んでいる間は前妻の心境ばかりを考えてしまった。名字を変え、夫と娘との幸せな日々が突然終わり、いつかお店を開こうと約束した地で夫が別の女性と再婚し、今では自分の故郷や血の繋がった家族から遠く離れた土地(おそらく)のお墓に眠る美雪さん……。フィクションだというのは置いておいて、死人に口無しだし育ってきた環境もわからないから当人がどう感じるのかはわからないけど。私だったら血の繋がらない我が子を慈しみ、子持ちである夫と再婚してくれた鳩子さんには感謝すると思うけど夫には謝りつつも一言物申したくなるかもしれない……。私が『春太の毎日』の春太のような大きくて深い愛を持てるのはまだまだ先のようだ。  代書に関しては離縁状のやり取りに思わず笑ってしまった。最終的にどう着地したのだろうか。依頼人の中では「やすなりさん」を愛する富士額さんに共感するが、結婚せずに心に決めた相手を愛し続けてきた人生を、暗いもの、寂しいものだとは思わないでほしいなと思った。令和の今ではそういう人もきっと増えていますよ。  私自身大人になった今でも自分の母親が嫌いなので、先代の愛を感じてあげられる鳩子は偉いしすごいなと思う。私だったら当時の相手の内面を知ったとてカーネーションのくだりは一生許してあげられない……。  恋愛小説や親視点の家族小説にはあまり興味がないが、ここまで来たら鳩子の行く末を見届けるか? という気持ちにもなってきた。そのうち三作目の『椿ノ恋文』も読もうと思う。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved