
友録
@tomoroku
2026年9月24日
失われた貌
櫻田智也
読み終わった
作中ではわずか1週間ほどの出来事なのに、驚くほど濃密な物語だった。序盤はあちこちに話が飛び、「どう収めるんだろう?」と思いながらも、登場人物たちの掛け合いが心地よく、スムーズに読み進められた。どんでん返しで驚かせる作品というより、登場人物の関係性や人間性を丁寧に描いた上で真相を提示し、「あなたはどう感じる?」と読者に委ねる作品。特に日野と羽幌の関係は、過去と現在で立場が逆転していることに気づくと、見え方が大きく変わった。真相そのものより、そこに至る人間の感情を味わう作品だった。
