でんぐりわたる "檻の中のルフィ 闇バイトを生..." 2026年9月25日

檻の中のルフィ 闇バイトを生んだ者たち
2022年5月から翌年1月までにかけて日本を震撼させた広域強盗事件の首謀者集団(「ルフィグループ」)について、彼らの背景から組織の成り立ち、事件の詳細から逮捕に至るまでを、幹部1名、主要なメンバー1名との数多のやり取りで立体的に詳解したノンフィクションである。 出版時点ではリーダー格2名の裁判が開始しておらず、さらに両人とも黙秘を貫いている。本書はリーダー格の彼らの供述が反映されていないことを差し引いても、組織犯罪の一連の顛末がよく理解できる形にまとまっていた。結局は「徹底して管理するとこ」と「人心を掌握すること」が(たとえそれが犯罪組織でも)組織をマネージする上で重要であることが再確認される。この点は会社運営でも変わらない知見であると思う。また、「仕事(と責任)を分散させることで当事者意識が無くなる」ことも会社組織などではマイナスなる一方、犯罪においては罪悪感を無くす方向に働くのは興味深い対称性だと感じた。 ルフィグループは一連の強盗事件で注目を集めたが、組織のおこりは特殊詐欺であったことは知らなかった。詐欺で培った術をそのまま強盗に転用したことが一連の強盗事件の核心であるともいえる。 さらに、フィリピンをはじめとした東南アジアの汚職の酷さも垣間見える。ルフィグループも金で現地警察やコネクションを利用できるだけ利用したが、最後は単にフィリピン人の身内に売られるのが何とも儚い。 一気読みできる筆力はさすがの著者であった。また次の著書も楽しみに待ちたい。
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