めい "桐島、部活やめるってよ (集..." 2026年9月25日

めい
めい
@meiji_chan
2026年9月25日
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)
朝井リョウが好きだと言っておきながら、デビュー作を読んでいなかった。映画は観たんだけど。 解説の吉田大八さん同様、勝手に「若い人以外はご遠慮ください」を感じて“自分向け”じゃないと決めてかかっていたから。 読んでみるとやっぱり朝井リョウらしいうつくしい比喩表現と、水に浮いた葉っぱを優しく掬い上げるような心理描写が次々と出てきて、お風呂に入っている時のような心地よさを覚えた。 でもなぜかその後の作品より読み味にやや引っかかりがあるのは「まだデビュー作」だからなのか、わたしが「もう大人」だからなのか。 それでも読み進めるうちに自分の17歳の頃と重なってきて(奇しくもバレー部だった。ソフトボール部だったこともあった)、ああこうだった、いつも何かにイライラしたりくだらないことでウケたり、どうしようもないことに必死になって、よせばいいのに抱えようとして、爆発しかけて、踏みとどまって、人に迷惑をかけていたな、と懐かしんだ。みんな、いいなあ。かわいいなぁ。イケてるなぁ。 私立の女子校はカーストが曖昧だから、わたし自身は「上」にも「下」にも通うところがあった。見た目や声のデカさで簡単にクラスの空気を変えられるし、スカートが短いほど、バッグにつけたぬいぐるみの数が多いほど、上手な校則の破り方を知っているほど許されることは多いけど、みんなが好きじゃないものを好きだったり、体育やイベントでヘマをしたり、スカーフがセーラーの背中からはみ出ていたり、ブラウスのボタンを一番上まで留めていたり、ベストがジャストサイズだったり、指定の靴下を伸ばさずにふくらはぎの真ん中で履いていたりすると、気遣いと冷笑を浴びることになる。通っていた小学校も住んでいる街も進学動機も家庭環境も親の経済感覚もバラバラ、でもお勉強はしてきたプライドはそれなりにある「偏差値高めの進学校」だからこそいろんな奴がいて、みんなそこそこ賢いから、「意地悪な奴」はリスクを取ってまで誰かをいじめて楽しむことはしない分、突き放したり遠くで揶揄ったりする。本人に聞こえないつもりでキツめの悪口を言っちゃうようなバカなこと、思慮浅めの高校生なら一度くらいしてしまうだろう。昨日まで一緒にお弁当を食べていたのに、ちょっとした失言ひとつで次の日からほんのりハブられたりする。したし、された。わけのわかんないことで呼び出されて絶交を告げられたりとか。すぐ別につるむ子ができて「中学生かよ!!キモ!!」と笑い飛ばしたりとか。シンプルにわたしの性格が悪いから、シンプルに性格の悪い友達しかできなかったんだろうか。でも、そうやってなんとなくイライラ、モヤモヤ、きゃらきゃらしていたら大学受験を迎えている。メイクが濃くて思慮の浅そうに見える子が実は何かを抱えていたり、スカートが長くて髪もひっつめでイケてなさそうに見える子ほど青春をエンジョイしていたり、そういう「ひかりの中の闇」「闇の中のひかり」は確かに、あの頃の学校の中にはたくさんあったような気がする。高校を卒業したての朝井さんが、「ついさっきまであったものの姿」をまるで写真のように描き出した息遣いがあるように感じた。 それにしても、映画と全然違うな!? 全然違うのにどっちもいいってどういうこと!? でも主人公を決めろって言われたら確かに前田くんしかないね!! あと東出昌大こんな大事な役だったの!? でも松岡茉優をシンプルキツめ上位女子にしてくれてありがとう! 映画を観た時はリベロがキャプテン?と思ったけど、確かにルールが変わっていたような気がする。
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