DN/HP "すばる 2026年10月号" 2026年9月25日

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2026年9月25日
すばる 2026年10月号
「あの文章が酢好さんにとってなにか資するところがあるのかと言われるとそれはわからなかった。しかし小説が読み手にもたらすものは目に見える利や益でも、書かれた情報そのものの価値や意味でもない。それがそのように書かれたことによって読み手のもとに起こるなにがしかの感興こそが資するものであってくれればよい。語り手になるとはそういう任なのである。」 滝口悠生「透波と乱波」33 滝口悠生さんの連載小説から。 わたしも「読み手」としてそんなことを考えている。少なくとも小説を読んで起こる感興をとても大切に思っています。とこの「語り手」こと透波さんの小説とその語り手観に共感して、嬉しい気持ちになった。この考えが「語り手」の「語り手」である滝口悠生さんの考えそのものであるかはわからないけれど、滝口さんの小説を読むといつもなにがしかの感興は起こるし、それをわたしはとても大切に思っているし、助けられてもいるし、それをなんとか書き残しておきたい、とも思っているのです。と伝えてみたいようやく涼しくなってきた九月の夕暮れだった。
すばる 2026年10月号
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