W7Ed "けんぐゎい" 2026年9月29日

W7Ed
@4nTeG00N
2026年9月29日
けんぐゎい
けんぐゎい
朝倉かすみ
落語やお芝居のようなリズム感、オノマトペ、外来語、現代口語も入り混じって、独特の熱を帯びた文体だった。文体とはみ出しものとして踏み躙られながらも強く生きる女たちなに引き摺られて一気に読んだ。 ふゆは何度も自問する。この人生は、わたしが、選んだものなのか、それとも生まれついたように生きるのか。どちらにも矛盾が出る。痘痕はふゆが選んだか?そういう星のもとだったか?けんぐゎいに押しやったのはだれか?踏み躙られるのはあたりまえなのか?答えのないまま、ふゆは女たちを匿い、救い、子を産ませ、あるいは堕す。 生帯にもある「起きろ、おまえら、踊るにはもってこいの夜が来た」の一文には勇気が出る。 外れた女として、男性の慰みとして、散々な目にあう女たちだが、賢愚に関わらず、物事の真実を射抜くそのことばの数々は、まるごと力強く、そのままで善しと肯定してくれるもので、心に熱く届く。 その後が知りたくなるラストだったが、どうやら続編の構想があるらしい。楽しみだ。 現代の女性の苦しみに深く響く、時代小説を超えた時代小説だった。
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