けんぐゎい
157件の記録
- W7Ed@4nTeG00N2026年9月29日買った読み終わった落語やお芝居のようなリズム感、オノマトペ、外来語、現代口語も入り混じって、独特の熱を帯びた文体だった。文体とはみ出しものとして踏み躙られながらも強く生きる女たちなに引き摺られて一気に読んだ。 ふゆは何度も自問する。この人生は、わたしが、選んだものなのか、それとも生まれついたように生きるのか。どちらにも矛盾が出る。痘痕はふゆが選んだか?そういう星のもとだったか?けんぐゎいに押しやったのはだれか?踏み躙られるのはあたりまえなのか?答えのないまま、ふゆは女たちを匿い、救い、子を産ませ、あるいは堕す。 生帯にもある「起きろ、おまえら、踊るにはもってこいの夜が来た」の一文には勇気が出る。 外れた女として、男性の慰みとして、散々な目にあう女たちだが、賢愚に関わらず、物事の真実を射抜くそのことばの数々は、まるごと力強く、そのままで善しと肯定してくれるもので、心に熱く届く。 その後が知りたくなるラストだったが、どうやら続編の構想があるらしい。楽しみだ。 現代の女性の苦しみに深く響く、時代小説を超えた時代小説だった。

Anna福@reads--2503092026年9月25日読み終わった講談みたいなリズムで、ぐいぐい読む。ふゆと重右衛門の「推し活」談義で、「参りました」「お目が高い」と褒め合うところは私のツボ。 ところが、妹のりよが話を聞いただけで「やば」認定した彼らの推しの宗三郎。 その本性には強い嫌悪を覚える。 性暴力の描写もあり、この時代を生きる女たちの生と性が突きつけられる。 けんぐゎいであり、くゎいぶつになる女たち。 ひとの宿命を運命が変えられるかというゲームを、神の目線で舌なめずりしながら始めようとするふゆもまた、かなりのくゎいぶつだろう。


- MS@MS11192026年9月24日読み終わったメモ忘れてた 最初から中盤にかけては絶望的で読んでいても辛かったけれど、中盤から終わりにかけて「けんぐわいの国」を作って豊かにしていく様は鮮やかな展開だった。あまりにも劇的な変化だったのでちょっと上手く進みすぎでは?とも思ったけど、ふゆのそれまでの我慢が生んだ抜け道だったのかな。
みや子@miya19892026年9月22日買った読み終わったまた読みたいまず表紙のインパクトがすごい。二度見する。そしてタイトルが独特で気になってしょうがない そんな時に直木賞を受賞されたということで堪らなくなり購入 今まで読んだことのないリズム感?テンポ?流れるような言い回し。あと、ふとした瞬間官能的な感じを受ける。擬音の使い方も良くて、私は擬音があまり得意ではないんだけれど、けんぐゎいに関して言えばこの擬音多めなのがいいのかもしれない。耳慣れない言葉が多くても、それでもスルスル読み進められる 今まで読んだ時代小説の中だと1番読みやすくて、わかりやすかったかも 内容的にはエグいしキツいけど、このリズミカルな感じと思わず笑ってしまう表現や言い回しのおかげかあまり重くならずに楽しんで読めた 男にしても女にしても、嫌ーーーな部分の解像度の高いこと。人に見せられない欲望とか、裏側とか、女の中でも特に嫌な部分がよく書かれすぎている 特に、ふゆの母親の"女を捨てきれない母親"の書き方が本当にリアル。解像度高すぎてひっくり返る 最初は、現代にも通じるような、容姿や育ち性質なんかで生き辛い女の立場を描いた作品かと思ったんだけど、そうじゃない。そこを通して、生命とは生きるとはを考えさせられるような作品だった。果ては、自分とは何なのかにまでいってしまった、私は 読み始めは、帯にもあるように容姿というのが最初にドーンと提示されているからそっちに引っ張られがちだけど、ただそれだけの作品じゃなかった。読み進めるうちのめり込んで、頭の中は物語を読み進めつつ自分の考えも展開して、と忙しなく動き続けてた 最後の方は、最初にあったコミカルさを感じづらくなっていた。薄暗い闇。でも、その薄闇の中でもがいて何かを掴もうとしてる、そんな感じがする 最後、ふゆの笑顔が変わるのが良い。心から笑えるようになったんだなって。そして、〆の一文がすごくすごくいい。まじで鳥肌立ったし震えた 読み始めと読み終わりでは全くイメージが変わる 出てくる人物は皆生きづらそうに見える。実際性質を見ればだいぶしんどいよなって、例え性根が曲がった部分が見えてもそう思う。でも何でかな、それを悲観してるという感じもあまりしない。出てくる人たちが皆苦しみながらも明るい部分を見せてくれるからなのかな 考えさせられる部分も学べる部分もあるのに、堅苦しくもなく変に重くなることもなく、スッキリと読み終えられた 朝倉先生の他の作品も気になるなー。また読みたい本が増えてしまったよ

Anna福@reads--2503092026年9月22日読んでるリズムが良くてどんどん読む。 疱瘡で酷い痘痕の残った聡明なふゆと手習師匠の重右衛門が、彼の養子になった宗三郎に対しての推し活談義をして、参りました、お目が高いなどと互いの目利きを褒め合う… というのが私のツボに入ったところ。





705@naschoko2026年9月16日読み終わった借りてきた疱瘡を患い全身に痘痕の残るふゆ。利発なふゆは手習い所の手伝いをするが、師匠の養子の宗三郎に手籠めにされ子を孕む。現人神と崇められる女性産医との出会いを機にふゆの人生は変わっていく。 いまいち感想がまとまらないので一旦そのまま置いておく。 面白かったようなそうでもないような。ただエネルギーに満ちた作品だと思う。作中で描かれる生と性、世間の物差しで測られて勝手に「圏外」に置かれた者たちのどろどろとした怒りや憤りは生々しいと感じるほど。講談のような独特の語り口と相まってインパクト大。 舞台は江戸時代だがあまり時代小説っぽくはない印象。ユニコーンの描写があったりファンタジックな一面も。 ジェンダー視点で見ると「圏外とされ男性からの暴力に晒されてきた女性たちが自らの居場所を掴む話」と言えそう。ただ、宗三郎のラストはさすがに善しとはできない。あれを善しとすると「怪物」になってしまう気がしてまだ読み込みきれていない。


- まやかし@mayaka_42026年9月14日読み終わった単語も文章も馴染みがなくて読みにくいし、単語を調べながら読み進めなくちゃいけないのになぜかすらすらページが進む。この題材この時代設定でここまで読ませる力がある本ってすごい。 私の中に眠っている日本人の血がそう感じさせるのか分からないけれど古めかしい表現も好ましかったし、情景描写がすごい好みだった。

mochan@hontomocha122026年9月14日読み終わった@ 電車1か月前に購入し、江戸言葉に慣れず1度リタイア。しかし、仕事上の関係で再読開始。真ん中まではどろどろ描写を想像することすら気持ちがいいものではなく、しんどくてこれは人に勧められない…と思いながら。しかし、ふゆが力をつけ堂々と生きれるようになってからはかなり読みやすくなった。(内容的にも、江戸言葉にも慣れたのかも?) そんでもって、読み終えた今、面白かった。安易に人に勧められないけれどこれこそ私にとっての「読書体験」。知らない世界を知ること、想像すること、学ぶこと、こんなに楽しいことはない。ココ最近で、久しぶりに熱中できた”面白い”時間だった!


- Ao@hata5152026年9月12日読み終わったよく言えば濃厚で表現力豊か、悪く言えばしつこくてくどい。 後半になって展開に希望が出てきてからは独特のテンポの良さも感じられて読んでる気持ちが楽になった。 前半のどうしようもない展開の時は正直読むのが苦痛だった。 前半の負債が大き過ぎて後半で挽回できなかった。


エフ@katekyof05092026年9月7日読み終わった前半は普通。第二章の後半、まあ場所と仕事を変えるあたりからは痛快感もあって面白かった。 まあ、前半の部分は後半のためのフリなのだろうけれども。 うーん、直木賞あるあるのこれだったらあの作品の方が良かったのには今作も該当するかも。 田村はまだかとか、平場の月とか、よむよむかたるの方が面白かったよー。好みの問題かもしれませんが。⭐︎4
Aster@aster2026年8月31日not for me 6割くらいまでひたすら読むのがつらい。 ずっとジメジメして不快で、暗くて狭いところに押し込められて醜悪なものを見せ付けられているような気持ちになる。 それなのに不思議と読ませる文章で、いつの間にか夢中で読んでいる自分もいる。不愉快なのにどんどん読ませる。 6割くらいでようやく物語が転がり出して、9割くらい読んだらもう安心できる展開に。 物語の畳み方は好みでした。
ピエ@PieTatsu2026年8月22日読み終わったエモーショナルな時代小説。村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』を彷彿とさせるような、疾走感のある筆致が印象的でした。 物語中では回収されない伏線が散りばめられており、読者以上に「書く側」の人間から高く評価されそうな作品だと感じました。
K@readskei2026年8月16日読み終わった「あたし思うんだけど、一生ってきっと籤引きの連続なのよ。双六にたとえるひとが多いけど、あたしは断然籤引きのほうが人生の本質をとらえてると思うわ。」 前半の澱みに耐えれば力強い後半が待っている。




はら@reads_brain2026年8月14日読み終わった序盤はかなり辛かった。何度も読む手が止まった。 全体としては主人公であるふゆが、自分の運命とどのように折り合いをつけていくかが、しっかりとえがかれていて面白かった。


koumoto@kirja_mokmok2026年8月11日読み終わった最初はタイトルの意味が分からず。本屋でかなりプッシュされていたので、購入してみることにしました。 時間をかけて読み終えました。 登場人物の名前がひらがな2文字だったりするので、少し読む時間が空いてしまうと誰だったかなと言う混乱に陥ってしまったり、時間の経過が分かりづらく感じてしまうところがありました。 でもそれはかなり期間を空けて読んでしまった影響かなぁと言うふうに感じています。 (一度、読み始めると、結構なスピードで、読み終えることができる位、吸引力のある小説だった) 奥にも書かれていた女の園って言う舞台が生々しくて、独領後に改めて面白かったなと言うふうに感じています。
かつのいぬお@Wendy08132026年8月3日読み終わった読了 直木賞受賞作ということで気になって読み始めました。 常識の外側にいる江戸時代の女性たちがそれぞれ生まれ持った自分の特徴を受け入れながら強かに生きていく物語。 今以上に男尊女卑の思想が強い江戸時代で逞しく生きていく人物たちに心打たれました。
やむやむ@yumiyom2026年8月2日読み終わったなんだかすぐに読まないといけない気がして、2日で読んだ。 なぜか、どんな小説だったかと説明する言葉を探したとき、もののけ姫を思い出した。(もののけ姫は室町時代らしいけど)圏外とされ化け物と言われた主人公ふゆが、サンと通じたのかもしれない。サンに比べるとふゆは仲間がいたことが救いだっただろうし、ふゆの境遇は現代でも十分に起こり得ると考えると、もののけ姫よりも身近。 ふゆの中でふゆに語りかける空想の生き物ウニ坊の存在も、少しだけ時代設定を忘れさせる効果があったように感じた。物語の江戸時代には行ったことがないけど、不思議と情景が思い浮かびやすかったのは、筆者の実力なんだろうなと想像する。 江戸時代の言葉遣いだからか、体力使った。序盤で断念する人もいると思う。でも、刺激的なストーリーでスカッとする展開もあるので最後まで読んで欲しい。


瑞白青維@suityu_sora_aogu2026年8月1日買った読み終わった表紙を見て「妖怪の話かな…?」と勝手に想像を膨らませていたが「怪物達」の話だった(と個人的には思っている)。生々しい描写に痛ましさや怒り、それと同等かそれ以上の背筋がぞわぞわする感覚を覚えた。これは小説、この話は物語、と頭の半分で考える一方、もう半分では人間があまりにリアルで人物と現実とを重ねて見ることが度々あった。人生、生き方、生かされ方…様々な角度から生きることについての問を投げかけられているように感じられた。 読後じわじわと思い出されたのは救いの場面だった。役割としての価値ではなく、「ただそこに在るだけで善い」と認めてもらえることがどれほど心を救ってくれることか。認めてほしいという気持ちは時代問わずに在ると想像するものの、現代よりも「生きる」ことそのものが難しかった時代にそれを表明したり、認める言葉をかけること受け取ることは共に難しく、だからこそ人生そのものを変えてしまうほどに心に深く響いたのでは…と考えてしまう。重い話だけれど、描写や本当に愉快そうに話す人物達のおかげで軽やかに読めた。

- 034@kumo_m2026年7月30日読み終わった面白すぎるのと、文章の良さにぐいぐい読み進めた。 この登場人物たちを作れることが信じられないほどの技量だと思った。 朝倉さん、これからも時代小説書くのかなあ、書いてくれるといいな。


和月@wanotsuki2026年7月22日読み終わった読み応えのある時代小説! 手元に届いたタイミングで本作の直木賞受賞が決まり、心して読まねばと意気込んだ。 江戸を舞台にしていることもあり、女性の社会的な役割や年齢の捉え方が現代とはかなり違う。 その差にウッとダメージを受けることが多いのだけど、よくよく読んでいると形は違えど現代にも共通する部分があるのでは?と思えてきて、追撃を喰らう。 前半は特に、作中の強固な倫理観、美醜や性差の常識に嬲られる主人公の様子が辛くて呻きながら読んでいた。途中で耐えられなるかもと危惧していたが、ふゆとりよ、つるやかめの江戸言葉特有の軽快さ、少し不思議な存在が折々にふゆの中から現れる場面に救われた。 後半からは一気に道が開けたように思えて、ふゆの築いたガストホイスが読者の私にとっても拠り所のように感じられた。 生まれおちた瞬間から、私は“わたし”が定まっているのだろうか?“生まれもった性分”と称されるものは、本当に1ミリも外的要因は無いのだろうか?環境や外見に左右されない心根は存在するのか?人という生き物が生まれてから死ぬまで、私達の心身に宿る「いのち」の所在について考えさせられる物語だった。 特に心に残った一文 「おいらはおいらをどうでもいいと思わなくなった。なにしろヒデさんが大切にするおいらだからな、どうでもいいはずがないんだ」 他人から受けた掛け値なしの愛によって、自分を大切にすることができる。 対価を求めない親愛の尊さが沁みる文章だった。








- たつみ@tatatatsumi2026年7月21日読み終わっためちゃくちゃ好みだった。 独特な文体ながらリズムが心地よくて読みやすい。いい意味でお作法に則ってないから時代小説苦手な人も読めるんじゃないかな。とはいえ、女の尊厳の話なのでテーマ的に万人に勧められるものではないなぁ。

ぽんぱらぽ@ticca_adu2026年7月20日読み終わった病気による痘痕のせいで行かず後家な女性・ふゆのお話 今ほど「違い」を受け入れられなかった江戸の世 "普通"ではないというだけで人は簡単に"外側"へ追いやられる だけどそんな女が不幸だと一体誰が決めた? 人間のドロっとしたとこがテクスチャそのままに伝わってきた 生まれついた顔や身体 家族、環境、性格、素質、人との巡り合わせ 幸も不幸も全て受け入れるか否かも含めて自らの手で選んだこと 生きるというのはその繰り返しで 人生というのは進んでみるまであの時選び取ったものが幸なのか不幸なのかは分からない


ステラハハ@stella_haha202026年7月9日読み終わったすごく面白かった。 インタビューで、最後に出てくる人がまず書きたかったとのこと。 そこにつながるように書いていったら長編になったらしい。 ならばもう少し、おふゆの行く先と共に続きが読めたらうれしい。 前半は、この気持ち悪い人をどうしようと思っていた。時代物だからあからさまで、読むのがしんどい部分もあった。 でも隠されているだけで、現代も変わっていない。 産むのは女なんだよ。 ほんと共感。



ぽかり@popopocari2026年7月3日読み終わった読み進めていると、作中の男・宗三郎に対して、一瞬「光源氏か?」という錯覚を抱いた。完璧に整えられた表の皮。しかしその裏に隠されていたのは、光源氏を遥かに凌ぐほどの、底冷えするサイコパスだった。 人間は多面性を持つ生き物だが、宗三郎の表の皮はあまりにも厚すぎる。側から見たら好青年だろうよ。まあ、それゆえに怪しい。 帯に書かれた「歪んだ性癖」という言葉に覚悟はしていたが、彼が秘めていたのは、あまりにも自己愛たっぷりの、えぐいカースト制。時代小説としての男尊女卑や、当時の女性の生きづらさを踏まえても、彼の行動は一線を越えている。 特に、彼が放った「自分の血を残したくない」という理由。これは一見すると自己否定や謙虚さのようにも聞こえるが、実際はその真逆だ。 自分がこの世で何よりも一番大事だからこそ、自分の人生や今の快適さを邪魔する存在(子供)を徹底的に排除したいという、自分勝手な全能感の極みとしか思えない あまりにも化け物じみている。宗三郎は、自分が下に見た「圏外」の人間たちを、最後に「くゎいぶつ」と吐き捨てた。しかし、私には宗三郎のほうこそが、血の通わない本物の怪物に見えた。 彼の身勝手な欲望の犠牲となり、底まで落とされたおふゆさんたち。宗三郎という怪物に踏みにじられた彼女たちが、これからどうか、生きやすい世の中でありますようにと、心から願わずにいられない。




すべての本読み読み委員会@nadare2026年7月2日読み終わったひとかけらで白米がもりもり食べれる秋田名物ぼだっこみたいに、ワンシーンごとに様々言及したくなる素晴らしい小説。歴史小説ってここまで想像力を働かせられるんだ。著者の優れた筆致あってこそだ…🙂↕️

旅するかたつむり@s130r672026年6月25日買った読み終わった装丁のインパクトがすごい…(この装丁は、feebee氏の《観察者効果 白沢 憂鬱》という神獣をモチーフとした作品を使用しているそうです) 娘が怖がって裏返しにするほどの迫力! 物語は朝倉さん独特の世界観で生々しく、終始完全に読まされていました。 理解が難しい表現もありましたが、物語の後半、理不尽を当たり前に受け入れていたふゆが おこまさまと出逢い、女に生まれさらに圏外と言われる中で自分を取り戻し、弱い立場の女性たちを守ろうと奮闘する姿が印象的でした。
はぐらうり@hagurauri-books2026年6月23日読み終わった直木賞候補作。朝倉かすみさん。『よむよむかたる』しか読んでいなかったので、こんなものも書くのか、と驚いた。これは過去作も読みたい。 今回の芥川賞候補の『悪い血』と同じく、妊娠出産がテーマになってくる。そして同じく、人生は自分で選び取ったものなのかどうか、を考える。 『悪い血』は、人生に何があっても、それは「罰」ではない。選びとった結果でもない。「罰せられていると思うなよ」という。 こちらは、人生は籤引きの連続、という"ほの"と、それに同意しない"ふゆ"が出てくる。 自分も、すべて選びとってたらたまらんよな、と思う。 同じ課題を感じ取って『悪い血』は現代の純文学に、『けんぐゎい』は時代小説のていをとったのだと思うと面白い。




ななり@bluebook_mark2026年5月16日読み終わった人生は選択の連続だ。この言葉が声高に殊更すばらしいもののように語られるほとんどの瞬間、自らの掌中に決定権がある優位性自体に対する俯瞰は尽く排されているように思えてならない。勿論、格言すべてを否定する訳ではない。けれど強い立場の人間が選ぶことによってすぐ隣にいる弱い立場の人(たち)が《選ばされ》てしまう辛苦は、あるいはその強いられた選択を自主性に基づいたものだと己のうちで捻じ曲げて飲み込もうとする自己防衛(本作に於いてはレイプされたことに対する)は、その深さ暗さが深刻だからこそ実相が見えづらく痛切は極まる。疱瘡の後遺症で全身に痘痕が残っている容姿や利発さといったけんぐゎい(普通からの圏外)を理由に性被害を受けた主人公の“ふゆ”が、それら後天的要因≒選んでないものから感じていた引け目と折り合いをつけながら、生来の善しと共に女医者として命がうまれる場所で生きてゆく様には、一人の女性としての決意を見ました。朝倉さんが初めて書いた時代小説は、私がこれまで読んできた他作者の同ジャンルとは少し雰囲気が違っていて、ある種、異形と呼んでもいい作品でとても興味深く読みました。















































































































