
サブレとポッポの往復書簡
@snowflake
2026年9月27日

リバース
湊かなえ
読み終わった
読書日記
@ 自宅
ミステリーだしさらりと。
人は、実は全く接点のない出来事に対しても、自分の心の中に何かしらの後ろめたさがあると、それがあたかもその出来事そのものなのだと、無意識のうちに共通項を探し、認識を紐付けさせようとする。そして開けてはいけなかったはずの箱を、気付けば開けてしまっていた。
絶対に誰かに言えない秘密を共有しあった当事者同士にしか分からない不安と恐怖といった心の動きを、各々の性格タイプを表すように、自然に描かれています。
それが掘り下げて描かれるのが、第二章の合宿場面、そして第三章の居酒屋での一幕です。
タイプがまるで違う谷原にしろ広沢にしろ、変に保身的で賢しい浅見や反省しない村井にしても、持って生まれた人格というのは、いくら年を重ねても根っこは変わらないというのは、良くも悪くもこの小説の中では一貫していると感じました。
ただ、主人公の深瀬だけは、単なるコーヒー好きとか豆に詳しいだけでなく、色々な飲み方を試せる柔軟さも併せて持っていて、何より、きちんと悔恨の思いを持てる人物として描かれているところが、他の当事者とは違うと感じます。
だからかな、広沢ほどとはいかなくても、私のコーヒーや喫茶店好きという点も含めて、深瀬とは仲良くなれそうな気がしました。
