
楓
@kaede_tea
2026年9月27日
本と鍵の季節
米澤穂信
読み終わった
感想
図書委員シリーズ
一話ずつ読んだ事の感想や考えた事のまとめ。
第三話「金曜に彼は何をしたのか」
※思いっきりネタバレしています。
※シリーズニ作「栞と嘘の季節」まで読んでからの感想なので「栞と嘘の季節」のネタバレにも注意!
※腐向けっぽい表現があります。
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※引用のページ数は全て文庫版「本と鍵の季節」より
最初の図書室のシーンの堀川次郎、やたら思いついたくだらない事を松倉に話すじゃんか。😅
『青い鳥』の下り(p127〜128)はウィットに富みすぎてて、何回も読みたくなる。
しかし松倉、植田くんがふたりのやりとりに呆れているのに対してちょっと言い返してみせるのは(p124)
私は思うんだけど堀川くんとの冗談めかした会話は松倉にとってはくだらないものではない、貴重な日常の1ページだと思っているからではないからかなぁとも。
『栞と嘘の季節』の瀬野さんの松倉評(「栞と嘘の季節」文庫版p155)を聞くとなんか松倉ってクラスでは気を張ってそうなイメージがあって、堀川くんとこういうくだけたやりとりがするのが彼に取って大事な時間なんじゃないか。
しかし、後から読み返すと松倉が堀川くんと言葉を交わしつつも
『貼ったポスターの傾きが気になるらしく、松倉はこちらを振り返りもしない。』(p124)
と、少し心あらずな感じなのはあの事が気にかかっているからだったのかな…とも取れる。
事件の捜査のふたりのやりとりも好きだけど読み返してみて気になった部分を。
それは植田の兄貴の『家内安全』のお守りを見る松倉。(p163)
ここで2人は冗談を交わしていますが
この図書委員シリーズでは
登場人物たちがある種の"お守り的存在"を必要としているのを見る事になるのに対して、植田の兄貴の場合はストレートに神社のお守りを持っているのだな……。
むしろ、このお守りを見て、後の松倉は堀川次郎の前で『お守り』という言葉を使うようになったのかも。植田の兄貴に少しシンパシーを感じて。
松倉が付いてきた理由。
私は堀川くんが言った理由だけじゃないと思うけどね。
というより、松倉は『「いずれにしても、退学にはならないさ。いくら横瀬がいかれていても、退学ともなれば大事だ。ほかの教師ももう少し真面目に調べるだろう。」』(p180〜181)
そう思うなら、松倉的には植田の兄貴の証拠探しに付き合う必要はなかったのだし、むしろ植田くんがそれを見つけない方が都合がいいわけで。
結局のところ、堀川くんが妙な事にまた首をつっこんで、巻き込まれてしまわないか様子を見る為に来たんじゃないか?
(※コンビ推しなのでそう思ってしまう)
後、植田くんの事も委員としては真面目なので本当に自分が考えてる事をやらかしそうな人間なのか、見極める為に来たんじゃないですかね……松倉、他の依頼人に比べると植田くんには比較的優しい気もするし。
(オイオイ💦な事もしてたけど😓)
そして事件の真相……理由はわかってもスッキリしない、理解できないものを見た不気味な感じがよく出ている。
その前にメタファーかな?と思う部分を。
『路上になにか落ちているのか、行く手で、スズメが二羽、アスファルトの上をついばんでいる。僕たちが近づくと、なにもする気はなかったのに二羽とも飛び立ってしまった。』(p182)
とあって、スズメは日常的に都会でも見られる鳥だけど、その二羽のスズメがふたりの前で飛び立つことで堀川と松倉が図書室でくだらない話をしていた友達としての関係から非日常の影が二人の間に広がっていく事を暗示しているかのようでもある。
でも、そのホラーテイストの語りの中にも私は同時に堀川くんが「個」が離れていく痛みのようなものも感じているようにも見えるんだよな……。
堀川が松倉を自分と違う考えを持った『他人』だと意識したのはこの瞬間だと思う。
そしてここからが本当の始まりなんじゃないか―とも。
オーディオブック版の感想を少し。
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植田くんの家に行く道中のやりとり、堀川くんの『「ふざけんなよ」』(p144)は私の中でツッコミを入れるみたいな感じの言い方を想像してたけど、伊坂堀川の言い方が可愛らしくて、松倉がちょっとからかいたくなる気持ちわかるわぁ……!ってなる☺️

