ノエラプトル "現代思想入門" 2024年4月26日

現代思想入門
現代思想入門
千葉雅也
タイトルの通り、現代思想の解説、その基となる哲学者たちの展開した思想を、非常に読みやすい文体で解説してくれている。日常生活に活かせる実践術も豊富。 特にラカンの「欠如の哲学」が面白かった。人生における根本的な欠如を埋めるべく、人は絶対に手に入れたいという特別な「対象a」を追い求め続ける。けれど何らかの「対象a」を手に入れたとしても、それはある種の見せかけであり、手に入れると同時に幻滅を味わうことになる。そしてまた「対象a」を求め……と、それをめぐって転々とすることで、到達できない”X”の周りをめぐっていることになる。 そしてそれに対応する、ドゥルーズ+ガタリの考えも印象的。ひとつの”X”をめぐる、無限で途方もない人生を送るよりも、「それはそれ、これはこれ」と分散的かつ複数的に考え、タスクをそれなりに一つひとつこなしていく。それぞれに自律的な喜びを認める、有限的な生き方。自分はついいろんな物事をごっちゃにして悶々としがちなので、こういう風にすっきり切り分けて考えられるようになりたいと思う。
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