
夏河
@myhookbooks
2026年9月27日
庭とエスキース
奥山淳志
読み終わった
読んでいる間、ずっと何とも言えない感じがあった。
それは言葉にすれば陳腐で、私の視点からでしかなくて、全然そんなことはないのかもしれないけど、でも弁造さんの言葉や生活の端々に確かにあった、老いというものがもたらす切なさと哀しさで、それを私はまだ飲み込めない。
まだ自分が老人になるのはまだ先のことで、身体も特別に丈夫ではないものの、不都合はなく、やりたいと思うことをやることも出来る。
いつか、老いによる変化によって、自分が大切にしている生き方を少しずつ諦めなければならないことがあるとして、弁造さんのように潔く手放すことは手放し、それでも手放せないことは往生際が悪くとも出来る限り続け、信念も時にはぐるっと変えてみたり、好奇心は忘れずに、頑固と素直を行ったり来たりしつつ、何よりもユーモアを忘れずにいきたい。
老いについて、人はついつい見ないふりをしてしまう気がする。老いてない人は、これから自分にもやってくるであろう老いを、何やら自分とは関係のないもののように扱おうとする節がある。
この本の中で、奥山さんは「生きること」について、ずっと考えている。生きること、すなわち、生まれて、成長し、老いて、死ぬこと。それを弁造さんが被写体となり、奥山さんを通して写真や文章となり、一冊の本としてこの世に存在していることは、「生きている」私たちにとって一つ指針になるのではないかと思う。
じんわり深く染み入っていく。
