プールに降る雨 "戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判..." 2026年9月28日

戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない
第一章では、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン大統領やネタニヤフ首相らに逮捕状を発付したことからロシアとアメリカ両大国政府から受けた激しい反発などが語られる。 つづく第二章では、ICCの成り立ちから組織の構成、手続きの流れがていねいに説明される。 合間にコラムとして、ICCがこれまでにあつかった17の事件の経緯が編集部によってまとめられている。 第三章では、赤根氏の生い立ちから検事時代までが、直面した数々の女性差別のエピソードなどを交えて語られる。 最後の第四章では、ICC締約国の増加のために東京などに広報を目的とした事務所の設置を目指す展望が語られる。また、戦争犯罪などに対処するための国内法の制定、日本のジェノサイド条約の批准を提言。 2023年7月、帰国中、ロシアから指名手配を受けたことをNHKのニュース速報で知った赤根氏。ICCがウクライナ侵攻にともなう戦争犯罪の容疑でプーチン大統領に逮捕状を発付したことに対する報復だった。 2024年11月、ICCがガザ地区における戦争犯罪などの容疑でイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を発付。2025年2月、それに反発してアメリカのトランプ大統領はICCへの制裁を可能にする大統領令に署名。 制裁の内容は、アメリカ国内の資産凍結・アメリカへの渡航禁止・アメリカ企業との取引禁止。しかし、規定があいまいなので恣意的に対象の範囲を拡大できる。 現在、制裁対象はICCの裁判官・検事・職員などの個人だが、ICCそのものが対象となれば組織の存続が危ぶまれる。 近年、ICCに対して何者かによるサイバー攻撃が繰り返し行われているため、絶対に流出させられないデータはデジタル化を避けている。 また、2022年6月にはインターンシップを利用して潜入しようとしたロシアのスパイがオランダ当局に逮捕されている。 ICCは、ニュルンベルク裁判、東京裁判、旧ユーゴスラビア国際刑事法廷、ルワンダ国際刑事法廷などを経て、1998年のローマ会議で採択された「国際刑事裁判所に関するローマ規程」によりオランダ・ハーグに設立。個人を処罰できる常設の独立した国際的な刑事法廷。ローマ規程の締約国は現在125カ国・地域。アメリカ・中国・ロシア・イスラエルなどは非締約国。 混同されがちな「国際司法裁判所」は国連の機関であり、国家間の紛争をあつかう。 ICCが対象とする四種類の中核犯罪とは、ジェノサイド犯罪・人道に対する犯罪・戦争犯罪・侵略犯罪。 ローマ規程が発効した2002年7月1日以降に起きた事件を対象とする。2003年のウガンダから始まって、コンゴ民主共和国、中央アフリカ、スーダン、ケニア、リビア、コートジボワール、マリ、パレスチナ、ジョージア、ブルンジ、フィリピン、ベネズエラ、バングラデシュ/ミャンマー、アフガニスタン、ウクライナまで17の事態をあつかう。 ICCは、当該国家が中核犯罪を裁く能力、あるいは意思がない場合のみ補完して裁く。 捜査が始まるきっかけ、「トリガー」 ①締約国が事態を検察官に付託する場合 ②国連の安全保障理事会が事態を検察官に付託する場合 ③検察官が自らの意思で捜査に着手する場合 予審を経た第一審と上訴審の二審制。
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