花でいっぱい
@hanadeippai
2026年9月27日
やがて海へと届く
彩瀬まる
読み終わった
一人旅の途中ですみれが消息を絶ったあの震災から三年。今もなお親友の不在を受け入れられない真奈は、すみれのかつての恋人、遠野敦が切り出す「形見分けをしたい」という申し出に反感を覚える。親友を亡き人として扱う彼を許せず、どれだけ時が経っても自分だけは彼女と繋がっていたいと悼み続けるが_。
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わたしはまだ親友も恋人も亡くしたことがない。「またね」と言ったまま、さよならもできず離れ離れになる苦しみとどう向き合うのか、想像もつかない。たいせつな人を失っても生活は続いていくし、生きていかなくちゃいけなくて、心にぽっかり空洞ができたままそれをどう受け入れていくのか。“震災”という太刀打ちできない大きな力による死は、その絶望の矛先もわからないままに、かなしみだけが深く残るような気がしてしまう。今生きているわたしにできることは、日頃からたいせつな人をちゃんとたいせつにすること、くらいで、ありきたりなことしか言えないけれど、「またね」と言い合った相手にまた会えることは当たり前じゃないんだと改めて気付かされた。いつも“死”を意識して生きるとまでは言わなくても、たいせつな人とはなるべくあたたかい時間をたくさん重ねて感謝を忘れずにいたいと思う。