糸太 "半分の半分の半分" 2026年9月28日

糸太
@itota-tboyt5
2026年9月28日
半分の半分の半分
半分の半分の半分
チョン・ウニョン,
米津篤八
途中まで読んで気づいた。あ、この話、繋がってるかも…。 登場人物たちはみな、日本人の私にとっては慣れない名前ばかり。だから繋がりに確信を持ったわけではなかったが、あえてページを遡って確認したりはしなかった。 結果的にそれが良かったんだと思う。 たとえば誰かと話していると、表情や仕草からうっすらと読み取れる背景がある。そんな勝手に思い描いたストーリーは、会話するなかで思い違いに気がついたりして、幾度となく更新される。 それに近い感覚。私はこの短編集を「あれ、この人って確か…。いや、違うか」なんて思いながら読んでいた。小説のなかでフィクションを前提として出会う人物たちとは、あきらかに違う感覚がそこにはあった。 家父長制の強い社会で生きる女性たち。時代や場所が違えど、はたまたキャラクターには天と地ほどの差がありつつも、共通した根っこを持っている。距離を取りたいと感じながらも惹かれてしまい、いつのまに安心したかと思えば胸の奥がざらつき始める。 異なる物語たちに共通する、この支離滅裂な感覚は、読み手にしっかりと届けられる。物語の背骨がそれぞれ強靭であるからこそ、なし得る離れ業なのだろうと感じた。
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