
だむ
@p0se1-d0n
2026年9月28日
こころは遺伝する
ロバート・プロミン,
田中文
読み終わった
トンビが鷹を生むなんて身の回りでは
聞いた覚えがないしカエルの子はカエル
というのがやはり実感で「親ガチャ」な
んて言葉を一時耳にしてはそう世間から
ずれているわけでもなさそうだとの自覚
はあった。
要は生まれか育ちか、つまりヒトの本性
を決定するのは遺伝なのか、環境なのか
という問題について、私としては遺伝に
大きく傾いていたのだが、この問題に
ついてはかつて遺伝を主張することが
優生思想や人種差別などを正当化する
ものだとして激しい論争の的となってき
た不幸な歴史がある。
近年の生命科学の発展、遺伝子研究の
成果がいよいよ無視できないほど大きく
なるに伴い漸く冷静に議論できる状況
が整ってきたようだ。
著者の立場は明確で一貫して遺伝の
重要性を力説している。
例えば子供の自分らしさについて、
「系統的かつ大きな個人差を生み出す
唯一の要因はDNAであり心理的形質の
個人差のおよそ50%は遺伝要因によって
説明される。個人差の残りはランダム
な経験によってもたらされるものの、
その影響は長続きしない。」とする。
(無論著者は努力は無駄であるとは言っ
てないし親・学校・人生経験の重要性に
ついて付言することも忘れていない。)
著者が自己の主張を論証するために記し
た証拠部分は専門的でそれを読み解く
のは正直私には骨が折れる。
結論に対しては違和感がないため
却ってまどろっこしく思えてしまう
けれどもやはり科学者としてここは手を
抜くことはできないのだろう。
原著が出版されたのが2018年。2026年
の今日気になるのはやはりAIとの関係
だ。暴走するAIが人々の遺伝情報に
勝手にアクセスするようになると・・・
なんとかSF小説の世界だけにとどめて
おいて欲しいものだ。