犬山俊之 "いい子のあくび" 2026年9月28日

いい子のあくび
映画『インセプション』(2010年)では「夢の階層」を降りて行くという描写がありましたが、本作では「人間関係の階層」を潜っていくような、くらくらする感覚を味わいました。折り重なる層の、どこも重苦しくて息苦しい。読んでいるこちらは「どこかで浮き上がって深呼吸を」と願うのですが、人間関係に終わりはなく、息をつくことは叶いません。 芥川賞受賞作『おいしいごはんが食べられますように』の時も感じましたが、高瀬隼子氏の作品は自分にとってホラーです。日常ホラー。日常の地獄めぐり。 あと、本書収録の短編「末永い幸せ」もおすすめ。子どものとき、結婚式で大人が口にする「花嫁さん綺麗ね」という言葉に全く同意できなかったというエピソード、自分もほぼ同じ経験があります。意味がわからなくて、ポカンとしてしまったのです。大人になれば、これがキレイに見えるのだろうかと思ったことを覚えています▼ 台湾華語(中文)版を教室用に購入したのを機に、日本語版も電子書籍で読んでみました。台湾の読者はどう読むのでしょうか。
いい子のあくび
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