
紫嶋
@09sjm
2026年9月28日
迷路館の殺人<新装改訂版>
綾辻行人
読み終わった
借りてきた
館シリーズ3作目。
作中作として展開する「迷路館で実際に起きた事件をもとに書かれた推理小説」が主なパートとなり、それ自体でも犯人は誰なのか、その目的やトリックは何なのかと予測しながら読む楽しみがある。
迷路館の空間の設定もかなり奇抜で非日常的であり、さらに本作では小説や創作といったものが一つのテーマとなっているため、より非現実感や演出された不気味さが感じられた。中村青司のカラクリ趣味はもはや定番のギミック。
実際、あんな迷路状の地下に閉じ込められて、その上殺人事件まで起こったら、かなり精神的にすり減りそうだな…と思う。
それと同時に、小説家が推理小説を生み出すこと=惨たらしい殺人事件を創作することへの自虐めいた皮肉も感じる話だった。
もしもエンタメ的推理小説を現実において再現するとしたら、この作中作のように非常に勝手極まりない理由で被害者が選出されることになるんだろう。創作とはいえ、推理小説家はそういうことをしてるんだぞ、という皮肉のような。
そして本作では、この作中作の外側においても小さな推理小説が展開されている。
作中作を書いたのは誰なのか?果たして事件の真相は本当にこの作中作の通りなのか?ところでこの文章は誰の視点で書かれているのか?
いわば、推理小説で推理小説を包んだような構造になっているのも本作の面白いところだなと思う。
それにしても、島田さんはとうとう小説まで書けてしまうことになるのだが…あの人なんだかすごいな笑

