
本読みの旅人
@hi_tommy930
2026年9月28日
人びとの社会戦争
益田肇
読んでる
終章 解放と引締めをめぐるもう一つの戦い
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を取り上げ、吉野自身の多面性を見ていくと、〇〇主義を主張する人たちも、右が左かなんて割り切れずに、少しずつ色々抱えているのではないかとも思う。宮崎駿だって、反戦とミリオタが同居しているし、私自身の中にも刷り込まれた家父長的な一面が抜けきれずに「らしさ」を求めてしまうこともある。極端にならずに、中道ってことかな。
『君たちはどう生きるか』の戦中/戦後の読まれ方や、吉野自身の戦後の解説を知ると、宗教と同じで人間は自分が求めているものをその中に見出すのが得意なんだろう。戦後に同書が「軍国化する中でギリギリの抵抗」をしたと評価されるが、それはいわゆる受け身史観(翻弄された市井の人々)にマッチしたからで、だからこそ何度もブームになる。でもそれで本当の意味で平和維持が可能だろうか?と本書を通じて見てきた人々の熱狂ぶりから不安になる。私たちは誰でもああなってしまうのだ、と自身の本性に自覚的でいたい。

