
きらた
@kirata
2026年9月29日
雨月物語
円城塔
読み終わった
幻想
怪異譚
江戸時代後期に上田秋成が書いた怪異奇談集の傑作『雨月物語』を円城塔が現代語訳した作品
古典特有のハードルを無くして読みやすくなっているが、美しく洗練された文章には格調高さが漂う
うっすらとは知っている気はするけど‥との状態だった『雨月物語』
かなり昔に書かれた作品だと思っていましたが、実際は江戸時代後期に書かれた作品で、描かれている舞台が戦国時代等なのですね
『雨月物語』をモチーフにした作品を買ったので、そちらを読む前に『雨月物語』は読まなくては‥!と、思いながらも“古典‥読み難い‥どうしよう”とぐぬぬ( `°罒°) していたのですが、入った本屋でこちらの本を発見
そう言えば、円城塔·訳の『雨月物語』は読みやすかったとの感想をSNSで見たな、と思い出したので購入しました
ただ、個人的には、堅苦しいと言うか小難しい文体の方とのイメージを円城塔には持っていたので、ほんのりと不安を抱いていたのですが‥
序文に書かれた漢文にルビで訳文を添える奇抜さに心奪われた
その時からこれは読みやすいと確信出来ていたのだろう
行きつ戻りつをした箇所も多少ありましたが、読み手をノせてくるような文体‥テンポかなぁ?が心地良く、無理なく楽しく読むことが出来た
現代語訳って本当にありがたいですね!
『雨月物語』は怪異奇談集の傑作と言われていますが、幽霊や妖怪の恐ろしさより、人間の悲しみ·恨み·一途な心に焦点を当て、人の儚さや物悲しさを余韻として味わうような内容となってるので、“ホラー作品”を期待してると肩透かしを食らうかも知れません
人が人であるが故に抱く思い·心が次第に変質して行く様子を感じ取る‥みたいな?
怪異譚、幽霊譚等でピンと来なければ、幻想ホラーと置き換えてみると雰囲気が寄るような気も‥しませんかねぇ?難しいですね
描かれた9編は悲しさあり畏れあり怒りあり?と様々な読み心地
「夢応の鯉魚」は幻想入り混じり、やや滑稽さを醸し出した部分も含めて美しい話だと感じました
「吉備津の釜」「蛇性の淫」は並び順が秀逸
「浅茅が宿」をぽつんと前に置き、この2つの話と離したのがよい具合だと感じました
順番で話の印象は変わると思うので!
そして「青頭巾」は‥この時代には(どの時代でも?)あっておかしくないんだけど、妄執が段違いのBLだった(言い方)
愛しくて悲しくてむしゃむしゃぺろぺろ
そんな神をも恐れぬ愛の表現がこの時代にもあったなんて‥!
日本人って業が深い←ナニイッテルノコノヒト
あーびっくりした、ほんとびっくりした
そしてそこからの「貧福論」
現代人にも突き刺さる‥と言うか、今の政治家センセイたち、これ読んで?(真顔)
訳文も関係してるのだろうけど、現代にも通じる経済談義(と言うのかなぁ?)でハッとさせられました
結論的には人間を狂わせる金という存在こそが、この世で一番不気味で強力な怪異、ってことなのでしょうが、そこに至るまでの会話(話)は一読の価値ありあり過ぎた
古典文学ってヤバいんだな‥(褒めてる)




