
sovaco
@sovacocco
2026年9月29日
ファイア・ドーム(上)
辻村深月
読み終わった
借りてきた
胸が張り裂けそう。
息をつく間もない緊張感が続いて、非常に臨場感のある作品だった。出来事を想像するほど、恐怖が増していった。
特に怖いと思ったのが、憶測や噂が人を追い詰めていく過程。
誰も相手を陥れようとして言っているわけではなくても、「こうなんじゃないか」という些細な憶測を多くの人が口にすることで、いつの間にか事実であるかのように扱われていくことがある。確かな情報ではないものが積み重なることで、当事者が身動きを取れなくなっていく。
でも、そこには必ずしも明確な「悪意を持った加害者」が存在するわけではない。
ただ話した、憶測した、何気なく行動した。そのひとつひとつが積み重なり、結果として大きな問題へと発展していく。
実際にセンセーショナルな事件が起こると、当事者について何も知らない私たちが、報道された情報をもとに動機や背景を推測し、さまざまな解釈を交えて話すことがある。
それって、事件そのものを謎解きや娯楽のように消費してしまっていたのかもしれない。
でも、その情報の先にいるのは、実際に生活している人間。本人の内面や事情を完全に知ることはできないにもかかわらず、断片的な情報から「理解したつもり」になってしまう。
作品を通して、噂や憶測、報道によって情報が広がっていくことの怖さと、その過程で当事者の存在が見えなくなってしまう危うさを強く感じた。
下巻でどのように展開していくのか気になる。
下巻、どうなるんだ……。無事でいてくれ、頼む〜〜。

