
ろし@読むの遅い
@Rossi_zerofield
2026年9月29日
ファイア・ドーム(下)
辻村深月
かつて読んだ
人間だけが備えるとされる「知性」とは一体なんのために必要なものなのか。それが他者への「ゆるし」という概念を生むための仕組みだと初めて知らされた。
本作の時間のなかでは、老いも若きも幼きも、凶行の被害者たちは誰もがすべてをすこしずつゆるしてゆく。そんな一種奇妙な現象のなかに、よろこびとかなしみの同時性を見る。
「希望」というものを人はいつも間違える。それは苦しい現状の反転ではなく、そのなかで生きることへの決死の覚悟なのだということを教えてくれた物語だった。

