
和月
@wanotsuki
2026年9月30日
はいつくばって
ミランダ・ジュライ,
岸本佐知子
読み終わった
凡人が鮮烈な現代アートをみた時の気持ち。
分厚い長編小説だがミランダ・ジュライと岸本佐知子のタッグが素晴らしくて、溢れ出すユーモアと文章の上手さによってぐいぐい読める。
ただし、すっごく現代アート。本当に。
正直主人公の「わたし」との心の距離が果てしなく遠くて、彼女の倫理観を受け入れるのが困難だった。読み終えた後でも、作中に登場する彼女達の赤裸々で奔放な主義主張は理解できない部分が多い。
ミッドライフクライシスに直面した女性のお話。性的な行為や話題に対してアグレッシブな人々が主体となる為、終始未知との遭遇だった。
「中年の危機」といえば、疲労感や不眠、仕事に対するモチベーションの低下、無気力感等が主題になる印象だったので、まず真ん中に「性欲」が置かれる所がかなり新鮮だった。第1章のバスルームでの場面はかなり倒錯的で、この描写を書ききった著者のパワーに圧倒された。
結構何度も「この人達は何なんだ?」の気持ちに襲われたし、100%素晴らしい!と褒め称える感覚はまだ分からない。しかし、時折現れる言葉のきらめきも確かにある。
読み手の私が歳を重ねるにつれて、この物語が救いになるのかもしれない。
またいつか、読み直そう。


