
宮子
@miyako
2025年4月10日

木曜日にはココアを
青山美智子
読み終わった
🇦🇺読了。ある喫茶店を通し登場人物たちが繋がっていく十二のお話。
一言で言うとnot for me作品だった。本や読書のどういうところが好きかは一人ひとり異なると思うが、私は想像力をかき立てられる情景描写を読むのが好きだ。風景だけではなく、時には温度や空気、匂いまでも感じさせ、まるで自分もその世界にいるかのような没入感をくれる。この本は地の文(情景描写)があまり無く主に台詞と登場人物のモノローグで話が進むため、台本を読んでいるように感じてしまった。
内容に関しても話が出来すぎているというか、事実は小説よりも奇なりというけれど、でもこれはフィクションの本だし……世間があまりにも狭すぎる……と頭をぐるぐるさせなから読んだ。十年以上文通を続けた大切な友人がいても、ぽっと出の異性との恋愛オチになってしまうのかと少ししょんぼり。既婚者や十五歳も年下の相手を好きになったり、初対面の異性に頭を撫でられたり額にキスされたり(そういう描写ではないとわかってはいるが、それなら性別不詳でもよかったのでは? と思う)、自身の価値観とは相容れない部分も多かった。
せっかくなら木曜日にじっくり読もうとわくわくしていたものの自分には合わなかったという結果だったが、高校生の頃に図書室でタイトルや表紙に惹かれた本を片っ端から借りて読んだことを思い出した。自分の琴線に触れる本にはなかなか出会えず、面白かったと思えたのはたったの二冊だった。たくさん本を読むとはそういうことかもしれない。これだと思える本に巡り合うため、これからもたくさんの本を読んでいきたい。

