
sasai
@sasai_74
2026年10月1日
暇と退屈の倫理学
國分功一郎
読み終わった
読んで良かった
おすすめしたい
暇と退屈について、哲学や考古学、生物学などあらゆる分野から先人の論を取り上げ、いかに生きるべきかを考えていく本。
と聞いて、小難しく読むのに気力が要るように感じてしまい、暫く積んでいた。
しかしいざ開いてみると、するすると流れるように、最後まで興味深く読み終えることができた。
暇や退屈がなぜ人を苦しめるか
楽しみを持って生きることとは
そもそもなぜ人は退屈するのか
こういったことを思考するためのヒントを得て、まるで度の合った眼鏡を手に入れたような感覚がある。
万人に共通する結論を説くのではなく、読んだ各人がそれぞれに生き心地を良くしていく考え方を獲得するための手引書といったところだ。
また、序章に「本書は一息に通読されることを目指して書かれており、寄り道となるような議論、込み入った議論、引用文などは、そのほとんどを注のなかに記してある。さしあたって、注は読まなくてよい。」とある。
引用文や概念を提示し、その直後に筆者が端的に要約・解説し、筆者の論<暇と退屈の倫理学>に適用していく流れが主なのだが、そのテンポが良く明快で、ノイズがないので集中力が続く。
読みやすさという点に於いてもおすすめしたい。
余談
増補新版の付録『傷と運命』の内容に、ここ最近読んだ本と関連する部分が多かった。
痛みの記憶・神経の記憶といったものの研究に関心を持ったら、併せて読むと充実すると思う。
『かくれトラウマ - 生きづらさはどこで生まれたのか -』 井上陽平
『痛いところから見えるもの』 頭木弘樹
