みさと "美貌の女帝" 2026年10月1日

みさと
@misa10
2026年10月1日
美貌の女帝
美貌の女帝
永井路子
「この状態から合流できる史実があるんですか!?」という引きを何重にも張るのが上手すぎる。 氷高の変化を追いかけながらとても面白く読んだけど、随所に時代を感じる。長屋王邸宅跡の発見は発表年の翌年らしく、作宝楼がそのまま長屋王邸になっているのが味わい深かった。 ただ、安易な二項対立は歴史の読みを浅くしてしまうのではないだろうか。2026年の私には対立を超える話が必要なので、55年体制時代の古い政治観を感じるわ〜と思って読んでいた。藤原(近江、天智、唐)vs蘇我(飛鳥、持統天武、新羅)というのも、そこまできちんと塗り分けられる問題とはされていないんじゃないか、近年の研究…… 対立を超えるという意味では、藤原の子として登場した聖武がパンデミック後に藤原アイデンティティを失い、無力な存在として病んでいくところがとても興味深かった。その姿を紫香楽宮で受け止めて手を取った氷高にミオヤっぽさを感じられて、一番好きなシーンかもしれない。 氷高は皇統を守りたいならもっと首に干渉していけなかったのかな……と思わないでもない。親から子への継承ラインの中で、氷高が首にとってのミオヤになりきった瞬間ってあったろうか……あったとしてもごく晩年なのが寂しい。末代だ〜……
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