
ふるえ
@furu_furu
2024年2月13日

私と街たち(ほぼ自伝)
吉本ばなな
かつて読んだ
場所には記憶がこびりついている。
いつもそこには自分がいるのだけれど、当たり前のようにそこには他人がいて、だからその人たちのことも否応なしに思い出す。
数年前に尾道に行ったことを思い出した。
尾道で1番綺麗だったのは、中学生だか高校生だかの歳ぐらいの人たちが、制服で尾道水道の周りにあるベンチで集まっておしゃべりしている風景。海が近くにあって、それが日常になっていて、何にも特別でないように彼ら彼女らが当たり前に過ごしているのがとても良かった。
知らない街に行って、良い街だなあと思って、もし自分がそこで生まれ育っていたらどんな日常だったんだろうと夢想する。
けれどうまくイメージできなくていつも途中でやめてしまう。今いる街が良いと思うのは、この街で生まれ育ったわけでないからで、そうなるとたぶん同じなのかも知れない。いや、そんなことはないのかもしれないけれど。
でも、生まれたり、育ったり、働いたりする場所が違うだけで、当たり前に人生は変わるんだろうなとも思ったりする。
出会う人も。
拠り所にする場所も。
どんな働き方をするのかも。