
りら
@AnneLilas
2026年10月3日
すいかの匂い
江國香織
読み終わった
夏の記憶
@ カフェ
十代の頃何度も読んでいるけれど、久々の再読。
解説の川上弘美も書いているけれど、江國香織の尋常でない描写力、その明晰さはこの作品でとりわけ冴え渡っていると思う。
子供特有の漠然とした不安、途方もない時間の長さ、しんとした孤独、夏の気だるさがすべて惜しみなく言葉で切り取られている。標本みたいに。
どの話も覚えていたけれど、ひっくり返した亀に包丁を入れる様、鬼灯をねぶる醜悪さ、ちょうどいい薄さのカルピスの記憶は今も昔も鮮烈に残っている。
すいか。海水浴。蝉の声。帰省で乗る新幹線。どのモチーフにも、まるで自分の子供時代の夏休みだったみたいな懐かしささえある。
「あげは蝶」がいちばん好き。
