
Ayako
@aya_rb
2026年10月3日
読み終わった
贅沢なアンソロジー、という感じでとても面白かった。主にお風呂読書。短編って、一日の終わりのお風呂読書にちょうどいいなあ。
みなさんが言及されているようにマックス・フライ『架空の失礼辞典』は奇想天外な面白さ。抄訳なので、いつか全部翻訳されて読めたらいいな。
どの作家も面白くてどんどん邦訳されてほしいけど、特にもっとこの作家のものを読んでみたい、と思ったのは、イ・サンウ、ペドロ・エスカミーリャ、ヨラム・カニュク。まだまだ翻訳は英語圏のものが多いのかもしれないけど、英語圏以外のもの、特にどちらかといえばマイナー言語寄りのものは、もっと翻訳されるといいな。
エスカミーリャの『ルシフェル』、「ウルスラ」が魔女っぽいおばさんの名前って、とてもいい。「ウルスラ」、マルケス好きにはたまらない名前。
他にも、亞平の『雪のサンドイッチ』はとてもかわいらしい作品で、もし挿絵付きで翻訳されたら、とても人気が出るだろうなあと思った。誰かにプレゼントしたくなりそう。
そんなわけで特集もとても面白かったんだけど、最後の村上春樹訳のポール・セローの『コーンウォール探索切符』も、すごく面白かった。
セローが、出会った観光客や地元民の持つナショナリズムとレイシズムに向ける穏やかながらピリッと辛い皮肉、決してわかりにくくはなくむしろわかりやすい皮肉なんだけど、愚かさと頑なさがむき出しの人には伝わらない、まだ少しの良心を持っている人が後ろめたく思うような絶妙な匙加減の皮肉が、抜群の味だった。
英国の支線列車がセローは好きなんだな、ということがよくわかる列車での道程と、よく観察し、感嘆したり呆れたり思考たりしながらの徒歩の行程、それぞれが良くて、これが所収されている『海辺の王国』全訳されたらぜひ読みたい。たぶん鈍器本なんだろうなー。






