
m_u
@m_11927
2026年5月17日
古書の来歴
ジェラルディン・ブルックス,
森嶋マリ
読み終わった
ず〜〜〜〜〜っとReadsに記録をつけるのをサボっていた。
一旦読むの止めたりしたんだけど、5月にまた最初から読み始めて読了した。
以下は別のアプリに残していた読了時の感想。
本当に、今年読めてよかった本だった。
素晴らしかった。読んでいて本当に苦しいし辛いけれど、読めてよかった。
出てくる人間が皆、高潔で慈愛に満ちて素晴らしい…というわけではない。むしろ俗物的で不寛容、弱く、愚しい姿がはっきりと描かれている。だからこそ、ハガダーを命がけで守った人々の姿勢がより輝いて映るし、かつ、弱い人々のほんの一筋の変化、真心が、ハガダーが幾多の危難を乗り越える助けとなっているところが、この『奇跡』に至る物語により深い感動を与えているのだと感じる。
現代パートの間に挟まれるハガダーの辿ってきた過去の章で、ちらりと語られる名も無き人々が、以降の章で「あっ、もしかしてこの人が、あの章で語られた人物なのでは?」と想起させられるところも、わたしは好きだった。苦難とひと言で表現するだけでは足りない、そういう道を辿った人々が、それでも先へ先へとこの本を繋いだのだと分かるから。
2026年に至っても各地で紛争(戦争)が起きていて、自国もまた恐ろしい歴史を繰り返すのではないかと不安で堪らない状況にあるなかで、この本を読めたことはわたしにとって本当によかった。心に添え木をしてもらったような気持ちになった。
過ちは繰り返されるが、そんな中でもこの本に出てきたように人類の歴史や遺産を、その立場や宗教に関係なく守ろうとしてくれる人々も確実にいる。そのことに心救われる気がする。
最後、解説で語られた原題について、あの素っ気ないような言葉にそんな意味があったなんてと感動した。
『People of the Book』この寛容の教訓は、宗教は違っても同一の神を信じる同胞には融和的に接するべきだ…という意味合いらしいけれど、これがどうか世界中に浸透し、行われることを願う。(更に願わくば、例え信ずる神が異なるとしても人々が融和的に在れますように。)