いぬい "カラマーゾフの兄弟 2" 2026年9月23日

いぬい
いぬい
@inuiru
2026年9月23日
カラマーゾフの兄弟 2
カラマーゾフの兄弟 2
ドストエフスキー,
江川卓
再読。 177p " しかしそんな復讐がなんになる、迫害者にとっての地獄が何になる、あの子供たちがすでに虐待を受けてしまった以上、いまさら地獄などもってきたって、事態はひとつも変りやしないんだ。だいいち、地獄があるとしたら、いったい何が調和と言えるんだい。ぼくは赦したい、抱き合うこともしたい、これ以上人間が苦しむのはもうご免なんだ。もしまた真理をあがなうために必要な苦しみの一定量が定まっているとして、その量を補うために子供たちの苦しみが必要だということなら、ぼくはあらかじめ断言しておくよ、一切の真理もそんな代償には値しないとね。要するにぼくは、例の母親に、自分の息子を犬に噛みちぎらせたあの加害者と抱き合ってもらいたくないんだよ。彼女が彼を赦すなんてもってのほかだ! もしそうしたいのなら、自分の分だけ赦すがいい、自分の母親としてのかぎりもない苦悩の分だけ、加害者を赦してやるがいい。しかし八つ裂きにされた子供の苦しみについては、たとえ子供自身が赦すと言っても、彼女には赦す権利がないんだ、加害者を赦すわけにはいかないんだ! だが、もしそうだとしたら、彼らが赦すわけにいかないとしたら、いったいどこに調和があるんだ? いったいこの世界に赦すことのできる人、赦す権利をもった人がいるものだろうか? ぼくは調和なんて欲しくない、人類を愛するからこそ欲しくないんだ。ぼくはむしろあがなわれることなく終った苦しみとともにとどまりたい。あがなわれなかったぼくの苦しみ、癒されなかったぼくの憎しみを、たとえぼくがまちがっていようと、いつまでも抱えていたいんだ。" イワン〜! ワーニャー! メッチャ分かるよ〜! で「大審問官」はやっぱり面白い。 あとゾシマ長老の教えの↓の部分はなるほどね、と思った。 349p " それからもう一つ忘れぬがよい、それは毎日、折を見ては、「主よ、本日御前に召された者たちを憐れみ給え」と心にくり返すことだ。なぜなら、毎時毎分、何千という人々がこの地上での生を捨て、その魂が神の御前に召されて行くが、そのうち実に多くの者は、だれにも知られることなく、孤独のうちに、また、だれひとり彼の死を悼む者もなければ、そもそもそういう人間が生きていたかどうかを知る者さえないことを悲しみ、憂えつつ、この地上に別れを告げるのである。けれど、おそらくは、そのとき、彼の冥福を祈ったおまえの祈りも、地球の反対の側から主のもとへ昇って行くことであろう、たとえおまえは彼を知らず、彼もまたおまえを知ることがないとしても。"
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