
choco
@bananachoco
2026年10月4日
世界99 下
村田沙耶香
読み始めた
読み終わった
まだ途中だけど、著者の脳内で繰り広げられている世界は、荒唐無稽な設定だと思っていたこの作品は、実はかなり世の中の本質を突いていて、みんなが無自覚無意識にやっていることを言語化、文章化するとこうなるのか、という思いで読み進めている。
以下、心に引っかかった文をピックアップしておく。
世界は違う脳で録画され続け、その録画データである記憶は改竄され続けているのだから。
だって私たちはみんな、空っぽの人間ロボットなのだから。
空虚こそが本質なのだった。
私の中の空洞にこそ、私が人間であることの証明が、核心が、はっきり宿っているのだった。
誰の人生もある意味で何かの典型例なのかな
時代性と環境が先にあって、人格ってそれによる化学変化でしかない
未来がないと世界が明るい
引用以上
読み終わった。
この世の汚いもの、悪いとされているもの、ネガティブな感情、つらいもの、面倒なものを排除していく世界。
悪い感情を持ってはいけない。
それを言葉にしてはいけない。
つらくて苦しい出産や育児や家事、性行為までピョコルンという謎の生物が代行する。
そのピョコルンは人間のリサイクル品。
善悪や社会の基準はころころ変わるが、誰もがそれを当たり前のように受け入れ、過去との整合性は誰も気にしない。
むしろ記憶は改竄され、果てには記憶にもスタンダードが生まれて、後から植え付けが可能になる。
極端なようだけど、世界はそれを求めている。
間違いなく。
支離滅裂に見えた作者の脳内は、しっかり社会を見つめ続けていたんだなというのが、今日のふんわりした感想です。
