
イナガキカズトシ
@romantist721
2026年10月4日
読み終わった
ヘレンケラーとサリヴァン先生の物語を、舞台を弘前、津軽へと移し、先生側の視点を重視に展開させる。目が見えない、耳が聞こえない、喋れないの三重苦で吠えたり噛み付くしかできず、奥の蔵に閉じ込められていた少女に言葉を教える物語。
まず、文章がうますぎて、読みやすすぎてすらすら読めて、ほぼ1日の移動時間で一気読みできた。最初にその子に出会う描写、蔵の扉の関をはずし、観音開きに扉を開けて描かれる部屋の中、糞尿の匂いのする、物が散乱する中でうごめく野生児という光景が、後に兄の婚約者の父が風流な鶯の声に誘われてその扉を開けた時に、晴れ着姿のかわいらしい少女と化している描写へと転換されていくのが素敵すぎた。花とか風景とか水とか描写がいちいち素敵で、文章に風が吹いてい。文章に光が溢れている。
後半はサラーっと終わった印象だけど、やはり最初のうん、いいえが伝わった瞬間の感動は凄まじかった。号泣した。物事には、うんうんといやいやがあるということを、その子の手を左頬の当てて顔を動かすことで気づかせる。はい、いいえ。好き、嫌い。良い、悪い。そんな感覚が人間には根源的に備わっている。