チョム "青空の卵" 2026年10月4日

チョム
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@abb_20260521
2026年10月4日
青空の卵
青空の卵
坂木司
坂木と鳥井に限らず、登場人物たちの人間関係が根幹となる本書であるが、「冬の贈りもの」で他人の呼び方に拘る様子を見せた鳥井が「春の子供」で実の父親への呼びかけに迷う姿を見せた際の、坂木のモノローグが印象的だったので、以下に挙げる。 「名前は不思議だ。僕も試しに両親の名前を頭の中で呼んでみた。するとどうだろう、父は一人の男として、母は一人の女として、生々しいほどに存在感が出てきたのだ。どうか、一度は試してみてほしい。名前を呼ぶと、自分の両親が一人の人間であるということが、よくわかるのだ。」(p316-317) わたしの中で母親は「お母さん」で父親は「パパ」だが、彼らの名前を脳内で呼んでみたら、この坂木と同じ気持ちになった。彼らには彼らが主人公の人生があり、わたしという娘を含む他人と関わりを持ちながらその物語を紡いでいる、一人の人間である。きっとお母さんの中でわたしは娘であると同時に一人の女性であるし、わたしのパパのことも自分の夫であり一人の男性であるのだろう。 そうして一個体である人間がたくさん集まって関わりを持ちながら生きているのが人間社会というもので、他人と関わることで初めて自分という人生の物語を紡ぐことができるのだ。 なんか、そういうことを考えさせられるような本だった。
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