
くらな
@3bus_0830
2026年10月4日

五月の雪
クセニヤ・メルニク,
小川高義
読み終わった
借りてきた
目を細くすると、半ば閉じた目に映るのは、白いカリフォルニアの砂ではなく、白いマガダンの雪山だ。若かった春の日々にスキーをすれば、舞い上がって飛び出していけそうな、新しい恋の始まりにも似た気分がした。いまも思い出せば楽しくなる。だが、まったく一人になって考えるのでもなければ、記憶の編集は働かない。そんなとき記憶は、常に積み上がる乱雑な日々を遠慮もなく削ぎ落とし、どうにか耐えられる物語だけを切り出してくれる。


