猿馬大咳 "『石球城』殺人事件" 2026年10月4日

猿馬大咳
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@sarubaaaaa
2026年10月4日
『石球城』殺人事件
さて。 これを読み終わったのはつい先週とかの話で、終わった直後に「帰宅後感想を書く」などと宣っておきながら、すっかり忘れて感傷に浸っていたのがこの私である。すみません。 北山猛邦という名手が存在することは、時折耳にしていた。というか、メフィスト賞からの作家さんの名前は大抵わかる。 そのうち『クロック城』を読もうかと悩んでいたら、とんでもない本が出版されたらしく、購入。 結論から、とんでもない物理トリックへの執念の煮凝りのようなファンタジー小説。 13の密室を同時に解体するという大暴挙。今までもそういう小説は何回か見てきたけれど、全てが全て、納得できる形で解決されたのは見たことがない。 石球という存在も作品の全体において非常に重要な役割を果たしていて、あの緻密なトリック群は、この石球城でしか為せなかったはずだ。 全てを語ることは出来ないし、口を滑らせてしまうのもアレなので最後に言及するのは、世界観。空の見えない、灯台の光だけが頼りの世界で、あんなにも多くのルールや固有名詞が現れて、その全てに意味を持たせる。全てはあの結末のために存在している。それでいて混乱しない程度に物語が動かされていき、陳腐な言葉だが、まるで自分も石球城に迷い込んだかのような感覚になる。 というか、この作品は本当に何も語れない。何か妙な言葉を残してしまうと、それがネタバレになりかねない。叙述トリックというわけではないが、単にこれは私が口下手だからだろうか? 『クロック城』は積読を消化してから手をつけようと思う。残り四〇冊が睨んできているのに、私は後ろめたさを感じるのであった。
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