36hi "カフネ" 2026年10月5日

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@sugar_reads
2026年10月5日
カフネ
カフネ
阿部暁子
優しさと強さが心に残る作品だった。 食の場面から温かさを受け取り、それにより変化していく主人公や、彼女を取り巻く人間模様にジーンときた。 一方で、表で見えてるものがすべてではないという人の心の影や闇の部分。そうした繊細な描写が心にずしっと刺さってもきた。 主人公が食を通して自分を取り戻し、人と向き合う中で気付きを得たり、相手を少しずつ理解していく過程の中で、読者としてもハッとさせられる部分があった。 “失望と諦めが、愛情を根こそぎ消し去ってくれたなら、いっそどんなに楽かのか。けれど、愛しさはしぶとい雑草のように胸に根付いて、むしられても、むしられても、ほんのわずかな雨さえ降れば、こうして息を吹き返す。” 最も自分に刺さり、肯定させられたような気持ちになった一文。 魅力的な登場人物が多く、初めての作者であったが、美しく読みやすく、引き込まれる本だった。
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