本屋lighthouse "ナラティヴの被害学" 2025年4月11日

ナラティヴの被害学
戦争に負けたことによって奪われた自信は、別の戦争に勝つことによって取り戻すことができる。というのが、アメリカが採用し続けているナラティヴであるらしい。であるならば、トランプもその流れのなかにいるということになる。戦争が指す対象は比喩的なものも含めて考えてもいいだろうけど、いずれにせよトランプは各種の「戦争」をしかけアメリカをグレードアゲインするつもりなのであって、その影響というか結末というかははっきりと見えている。 第8章では映画『トップガン』シリーズを軸に、アメリカの映画が上記のナラティヴを採用していることを示しているが、日本の場合はどうなのだろうか。日本の戦争映画のナラティヴに多いのは「若くして散った命(と追いかけられなかった夢や悲恋)」で、これもまた自らを戦争の被害者とするためのナラティヴだ。
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