
ハム
@unia
2025年4月11日

君の顔では泣けない (角川文庫)
君嶋彼方
読み終わった
入れ替わるというありがちなモチーフでも元に戻らずその人生を送るというのは読んだことないかもしれない。
実際そうなったら不安しかないよなと思う。他人の身体で生き続ける葛藤の描写は男女双方の悩みを浮き彫りにして、生きるということを強く考えさせる。
他人と入れ替わった人生ってそれは自分の人生と言えるのだろうか?
選べないままふと自我が芽生えたこの身体も考えてみればたまたま自分が生きていて、自分ではない誰かの身体になる可能性もあったのかもしれない。
また、もし病気になったりして身体が不自由になったとき、それはそうした身体の人生と入れ替わったと受け入れることができるだろうか。
そんなふうにあれこれ考えると単なる器だったとしてもこの身体を大切にし、生きることについてもっと考えなきゃなと思う。


