君の顔では泣けない (角川文庫)

13件の記録
- りょこ@k_ar02022025年5月11日読み終わった設定からは想像できない気付きをくれる内容でした。15年というのは自分の生活と性別に執着を持つのにちょうどいいというか。望んで手に入れた生活ではなくても自分の家族や友人、性別への愛着を捨てきれない葛藤がなんとも苦しい。あと性別の違いによる違和感がものすごく生々しかった。 一方で、他者の身体で生きてるから人生の選択をためらったり、怪我や病気を恐れたりする心境も面白かった。自分を大切にするのと同じくらい、他者を大切にできるというのは素敵だなと思った。 今の身体が誰かに借りたものと思えば大切にできるのかもって書評に書いてあって、確かに〜〜!ってなった。感情の複雑さと揺れ動きが繊細なので、実写化が楽しみ!
- ハム@unia2025年4月11日読み終わった入れ替わるというありがちなモチーフでも元に戻らずその人生を送るというのは読んだことないかもしれない。 実際そうなったら不安しかないよなと思う。他人の身体で生き続ける葛藤の描写は男女双方の悩みを浮き彫りにして、生きるということを強く考えさせる。 他人と入れ替わった人生ってそれは自分の人生と言えるのだろうか? 選べないままふと自我が芽生えたこの身体も考えてみればたまたま自分が生きていて、自分ではない誰かの身体になる可能性もあったのかもしれない。 また、もし病気になったりして身体が不自由になったとき、それはそうした身体の人生と入れ替わったと受け入れることができるだろうか。 そんなふうにあれこれ考えると単なる器だったとしてもこの身体を大切にし、生きることについてもっと考えなきゃなと思う。